新橋は、東京を代表するビジネス街の一つで、「サラリーマンの街」として長年親しまれてきました。駅周辺には多くのオフィスが集まり、平日昼夜を問わずビジネスパーソンでにぎわいます。一方で、飲食店や居酒屋、立ち飲みバーなど、多様な業態の店舗が密集し、短時間利用や高回転を前提としたビジネスモデルが根付きやすい環境です。本記事では、新橋での店舗開業を考える方に向けて、エリアの特徴や出店の流れ、成功のポイントをご紹介します。
新橋駅の特徴・開業に必要な情報
新橋駅は複数の路線が乗り入れる交通の要所で、都内の主要エリアへのアクセスが非常に良い立地です。ここでは、新橋駅の主要路線や乗降者数、雰囲気やターゲット層について解説します。
新橋駅の主要路線・乗降者数
新橋駅にはJR山手線・京浜東北線・東海道本線・横須賀線のほか、東京メトロ銀座線、都営浅草線、ゆりかもめが乗り入れています。
JR東日本の2023年度データによると、JR新橋駅の1日平均乗車人員は、219,113人です。前年から113.4%と大きく増加しており、駅単体でも非常に高い集客ポテンシャルを持っています。ここに東京メトロ・都営地下鉄・ゆりかもめの利用者も加わるため、実際の駅周辺の人流はさらに多く、平日昼夜を問わず活気あるエリアとなっています。
参考:各駅の乗車人員 2023年度 ベスト100|企業サイト:JR東日本
新橋駅の雰囲気・ターゲット層
駅周辺はオフィスビルや商業施設が多く、特にビジネスパーソンがターゲットの中心です。ランチタイムはオフィスワーカーが集中し、夜は仕事終わりの飲み会や軽く一杯を楽しむ人でにぎわいます。また、銀座や汐留エリアにも近く、買い物や観光目的の来訪者も少なくありません。短時間利用、回転率重視の業態や、立ち飲み・テイクアウトなど手軽に利用できる店舗が特に支持されやすいエリアです。
新橋駅周辺の店舗物件の平均賃料
新橋駅周辺の店舗賃料は、都心主要駅のなかでもビジネス街としての需要を背景に、安定して高めの水準となっています。直近1年間の相場では、平均的な坪単価は約3万円台後半で推移しており、物件の条件や立地によっては、約1万円台〜10万円近くまでの幅があります。
駅前やSL広場周辺、烏森口付近など人通りが集中するエリアは坪単価が高額になりやすく、飲食業やサービス業の競争も激しいのが特徴です。一方で、やや奥まった通りや雑居ビルの上階に位置する物件は、比較的リーズナブルな賃料で借りられる可能性があります。
新橋はサラリーマンの街として知られ、平日夜の飲食需要が特に強いエリアです。出店を検討する際には、賃料相場に見合う集客力を確保できるかどうかをシミュレーションし、ターゲット層・営業時間・価格帯を賃料負担とバランスさせる計画性が不可欠です。
新橋駅周辺に多い店舗業態
新橋は飲食店の激戦区として知られ、居酒屋や立ち飲みバー、ラーメン店などがひしめき合っています。ランチ需要を狙った定食屋やカレー屋、夜はサク飲みや接待需要に応える和食・洋食レストランも豊富です。さらに、ビジネス街特有のニーズに合わせ、コンビニやカフェ、クリーニング店など、日常利用型の店舗も多く見られます。業種を問わず、ビジネスパーソンを主な顧客層とした業態が根付いているのが特徴です。
新橋駅周辺で開業するメリットと注意点

新橋はビジネス街としての集客力が高く、平日を中心に安定した人通りが見込める一方、競合店舗の多さや物件の老朽化といった課題もあります。ここでは、新橋で開業するうえで押さえておきたいメリットと注意点を具体的に見ていきましょう。
ビジネスパーソン中心に平日昼夜問わず安定した集客が見込める
新橋は「サラリーマンの街」と呼ばれるほど、オフィスワーカーが多いエリアです。平日の昼はランチを求める会社員で飲食店が賑わい、夜は仕事帰りの同僚や取引先との会食、軽く一杯飲みに立ち寄る人で駅周辺が活気づきます。こうした昼夜の二毛作的な需要により、曜日や時間帯を問わず安定した集客が期待できます。特にランチは短時間利用、夜はゆったり飲食といった利用目的の違いを活かせば、売上の最大化が可能です。
駅チカの物件は視認性が高く、高回転のビジネスに向いている
新橋駅から徒歩数分圏内は人通りが多く、立地だけで一定の集客力が見込めます。看板や外観の工夫で視認性を高めれば、初めて訪れる人も入りやすくなり、リピーター獲得にもつながります。また、このエリアは短時間利用の飲食店やテイクアウト需要が高いため、回転率を重視した業態と非常に相性が良いのも特徴です。駅直結や大通り沿いの物件は賃料が高めですが、その分集客効率も高く、投資回収のスピードが早まる可能性があります。
老朽化した建物も多く、設備面のチェックが重要
新橋には古くから営業しているビルや店舗も多く、外観は味わいがあっても内装や設備が老朽化しているケースがあります。特に飲食店の場合は、水回りや空調、ダクト、ガス設備などが営業に直結するため、契約前に必ず現地確認と専門業者によるチェックを行うことが重要です。改修費用が想定以上にかかる可能性もあるため、賃料や立地条件と合わせて総合的に判断することが求められます。
こうした条件を満たす物件を効率よく探すなら、事業用物件マッチングサービス「TENALEAD(テナリード)」の活用が便利です。会員登録後、希望条件を登録するだけで、不動産業者から直接物件の提案が届きます。
新橋駅周辺で開業する流れ
新橋での開業を成功させるには、エリア特性を踏まえた事前準備が欠かせません。特に競合が多いエリアだからこそ、計画段階から明確なコンセプトを持ち、資金や集客方法をしっかり固めておくことが重要です。
具体的には、以下のような流れで準備をしていくとよいでしょう。
・事業計画書の作成
・資金調達
・許認可の取得
・開業届の提出
・集客準備
事業計画書の作成
新橋で開業を目指す場合は、業態やターゲット層、資金計画を整理した事業計画書を作ることが第一歩です。計画の段階で収支や必要資金を明確にしておくことで、融資や補助金申請にも活用できます。
港区では、創業初期の事業者を対象とした「創業・スタートアップ支援事業補助金」を実施しており、事業計画書は申請時の必須書類の一つです。この制度では、販路開拓や設備導入、広報費用などにかかる経費の一部が補助されるため、開業準備の資金負担を軽減できます。制度内容や募集時期は港区産業振興センターの公式サイトで確認し、早めに準備を進めましょう。
参考:創業・スタートアップ支援事業補助金 - 港区立産業振興センター
資金調達
新橋は賃料や初期費用が比較的高額になりやすいため、自己資金だけでなく融資や補助金の活用を検討しましょう。日本政策金融公庫や自治体の制度融資はもちろん、商工会議所が案内する助成金制度もあります。資金計画の段階で、開業後の運転資金も含めて確保しておくことが重要です。
店舗開業の際に活用できる助成金や補助金については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
「開業時におすすめの補助金・助成金制度11選。申請時の注意点も解説」
許認可の取得
業種によって必要な許認可は異なります。飲食業なら食品営業許可、美容業なら美容所開設届、風俗営業を行う場合は警察署への申請が必要です。特に飲食店では内装工事や設備設計に許可基準が影響するため、物件契約前に条件を確認しておくと後のトラブルを防げます。
その他、業種によっては開業にあたって必要な資格などもあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
「開業に必要な資格を業種別に紹介!カフェ・不動産・サロンを始めるには?」
開業届の提出
個人事業主として開業する場合は、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。法人化する場合は登記手続きが必要です。さらに、飲食業であれば保健所への「飲食店営業許可申請」、美容業なら「美容所開設届」など、業種に応じた届出も併せて行います。
集客準備
開業直後からお客様に来てもらうためには、事前の集客準備が欠かせません。SNSでの情報発信やGoogleビジネスプロフィールの登録、近隣オフィスへのチラシ配布など、新橋らしいターゲット層に届く告知方法を選びましょう。プレオープンを実施すれば口コミが広がりやすく、本オープンへの集客につながります。
より詳しい流れを知りたい方は、以下の記事も合わせてご参照ください。
「店舗開業の流れを11ステップで解説!スムーズに行うポイントも紹介」
新橋駅周辺での開業を成功させるポイント

新橋は集客ポテンシャルが高い一方で、競合が多く物件コストも高めなエリアです。そのため、収益性を最大化するためには、ターゲット層や立地条件に合わせた戦略的な運営が求められます。ここでは、新橋ならではの特性を活かした成功のポイントをご紹介します。
昼と夜の二毛作営業で収益性を高める
新橋は昼と夜で客層と利用目的が大きく変わる街です。昼はオフィスワーカーのランチ需要が非常に高く、短時間での提供やコスパの良さが求められます。一方、夜は仕事帰りの同僚との食事や取引先との会食、軽い飲み利用など多様なニーズがあります。この特性を活かし、昼と夜の二毛作営業を行うことで、限られた営業時間の中でも収益性を高められます。
短時間利用を前提とした回転率重視の設計にする
新橋の飲食需要は、短時間利用や「サクッと」立ち寄るスタイルが多いのが特徴です。席数や動線を効率化し、注文から提供までの時間を短縮できる設計にすることで、回転率を向上させられます。立ち飲みスペースやテイクアウト専用窓口なども、高回転型業態との相性が良く、限られた面積でも売上を最大化できます
開業コストと立地バランスを見ながら柔軟に物件選定する
駅近や一等地の物件は集客力が高い反面、賃料も高額になりがちです。新橋では、駅から少し離れた立地でもターゲット層が明確であれば集客は可能です。初期投資を抑えるために、居抜き物件を活用する、ターゲットに合わせて必要な設備だけに絞るなど、コストと立地条件のバランスを考えた物件選定が成功のカギとなります。
新橋駅での店舗探しなら「テナリード」へ
新橋での開業を成功させるには、エリア特性に合った立地と条件の物件を押さえることが欠かせません。
「TENALEAD(テナリード)」は、出店希望者と優良なテナント物件を扱う不動産業者をつなぐ、事業用物件のマッチングサービスです。会員登録後、プロフィールシート(出店希望条件)を登録すれば、一般には公開されない秘匿性の高い物件や、将来の空き予定物件も不動産業者から直接提案を受けられます。
飲食店に最適な居抜き物件や、自由なレイアウトが可能なスケルトン物件まで幅広く取り扱っているため、新橋のように競争の激しいエリアでも理想の条件に合う物件を見つけることが可能です。集客力の高い立地を早期に押さえるためにも、ぜひ「テナリード」を活用してみてください。
まとめ
新橋は平日昼夜を問わず人通りが多く、特にビジネスパーソンをターゲットとした業態に大きなチャンスがあります。一方で競合が多く物件コストも高いため、開業前の戦略設計や物件選定が成功のカギとなります。
本記事で紹介したエリアの特徴や開業の流れ、成功のポイントを参考にしながら、「テナリード」を活用して理想の立地を確保し、新橋での店舗開業をスタートさせましょう。

