店舗を開業する際には、必要な届出や資格、開業資金の調達、物件の選定、スタッフの確保など、多くの準備が必要です。しかし、はじめて店舗を開業する人は、何から着手していいかわからないと感じるかもしれません。だからこそ、やるべきことをリスト化し着実に進めることが大切です。
本記事では、店舗の開業にあたり必要なものリスト・やることリストを解説します。
店舗の開業に必要なものリスト
店舗の開業に必要なものは、下記の5つです。
1. 届出
2. 資格
3. 開業資金
4. 店舗物件
5. スタッフ
1.届出
店舗を開業する際は、税務関係の届出が必要です。業界や業種によっても異なりますが、一般的には「開業届」と「個人事業税の事業開始等申告書」の提出が必要となります。
これらの届出を提出することで、正式に事業として認められます。自身が開業を検討している業界・業種どういった届出が必要か確認しておきましょう。
開業届
開業届とは、個人事業を開業したことを税務署に届け出る書類です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
個人事業主として店舗開業すると、所得税が発生するため、税務署への提出が義務付けられています。事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されていますが、忘れないうちに提出しましょう。
「個人事業の開業・廃業等届出書」は、国税庁ホームページからダウンロードができます。
参考:個人事業の開業・廃業等届出書
個人事業税の事業開始等申告書
個人事業税の事業開始等申告書は、個人で事業を開始したことを都道府県に申告する書類です。各都道府県によって提出先や提出期限が異なるため、ご自身が開業する地域の情報を確認する必要があります。
例えば、東京都の場合は事業の開始日から15日以内に提出する必要があり、神奈川県の場合は1ヶ月以内に提出しなければいけません。各都道府県の県税事務所のホームページなどで、具体的な提出先や期限、申告書の入手方法などが確認できます。
「事業開始等申告書 + 都道府県名」と検索すると、各都道府県の県税事務所のサイトが表示されるので、必要な情報を確認しましょう。
2.資格
店舗開業には、業界・業種によって資格が必要な場合があります。例えば、飲食店の場合は、飲食店営業許可や食品衛生管理者、食品衛生責任者などが必要となります。小売店の場合は、業種によっては物商許可や酒類販売業免許などが必要です。店舗開業を検討する際は、自身が開業を予定している業界や業種で、どのような資格が必要なのかを正確に把握しておきましょう。必要な資格を取得することも、開業スケジュールの中に組み込んで行動することが重要です。
業種ごとに必要な資格
店舗の開業に必要な資格は、業種によって異なります。
具体的には、下記のような資格が必要です。
営業する業態によっても必要な資格は変わってくるため、事前確認を徹底しましょう。
3.開業資金
店舗開業は、開業資金が必要です。一般的な開業資金の平均は、日本政策金融公庫総合研究所の調査によると約1,000万円程度といわれています。
開業資金の内訳としては、下記が主な項目となります。
● 物件取得費用
● 店舗設備費用(内装工事・設備購入等)
● 運転資金
特に運転資金については、3~6ヶ月分程度は準備しておきましょう。オープン当初は売上が安定しないことが多いため、運転資金に余裕を持っておくことが大切です。ただし、開業資金の金額は業界・業種や店舗の広さ、立地条件などによって大きく前後します。飲食店やエステサロンは初期投資が高く、小売店は低くなる傾向があります。また、店舗の物件賃貸料や内装の豪華さ、導入する設備の水準によっても、必要な資金額は前後するでしょう。自身が開業を検討している業態や立地条件をよく見極め、開業資金の見積もりを入念に設定するとが重要です。
店舗開業で受けられる融資
店舗開業で受けられる主な融資制度には、以下の3つがあります。
融資の利用にあたっては、自身の開業計画や地域の条件に合わせて、最適な融資制度を検討しましょう。
4.店舗物件
店舗開業に向けて、自分の事業に合った物件を見つけなければいけません。
店舗開業を探す際には、家賃や面積、立地条件などの基本的な要素はもちろん、物件の状態も重要なポイントです。
例えば、「スケルトン物件」は、内装を一から自由にデザインできるメリットがありますが、改装費用が多くかかってしまいます。「居抜き物件」は、前入居者の設備や内装が残されているため、初期費用を抑えられます。しかし、ある程度レイアウトが決まってしまうという側面があるため、一長一短です。物件探しの際は、目的や希望条件をしっかりと明確にしておき、比較検討しながら探していきましょう。
物件を探す方法
店舗物件を探す方法としては、インターネットで探す方法と不動産会社を利用する方法があります。
インターネットで探す場合は、各不動産サイトで希望の条件を入力すれば、簡単に物件情報を検索できます。しかし、人気の物件は早期に決まってしまうことが多いため、理想の物件を見つけるのは難しい場合もあるでしょう。
不動産会社を利用する場合は、自身の希望条件をしっかりと伝えられ、未公開の物件情報を紹介してもらえる可能性が高くなります。そのため、より理想に近い物件を見つけられるかもしれません。ただし、信頼できる不動産会社を見つけるまでが大変です。事前に情報収集を行い、信頼できる不動産会社を選びましょう。
5.スタッフ
人を雇用する場合は、スタッフの確保と育成が必要です。
一人で店を経営するのであれば、スタッフを雇う必要はありません。しかし、規模を拡大する際や業務を分担させる必要がある場合は、適切な人材を確保し、育成していく必要があります。
スタッフの確保と育成の具体的な流れは以下の通りです。
開業準備と並行して進めなければいけないため、早めの人材確保と育成計画を立てておくことが重要です。
開業の準備に必要なやることリスト
開業の準備に向けてやることは、下記の通りです。
● 店舗のコンセプト決め
● 開業資金の調達
● 店舗物件の選定
● 印鑑の作成
● 必要書類の提出
店舗のコンセプト決め
店舗の開業にあたって、まずは店舗のコンセプトを明確に決めましょう。
コンセプトを決めることで、店舗の目標や方向性が定まり、以降の準備を効率的に進められます。
コンセプトを検討する際のポイントは、下記の通りです。
● 提供する商品・サービスの特徴や強み
● 店舗の雰囲気や来店客層
● 地域の競合店や顧客ニーズ
● 自身のスキルや経験
これらの要素を総合的に検討し、ユニークで魅力的なコンセプトを定めましょう。コンセプトが決まれば、店舗の外観デザインや内装、商品・サービスの内容、広告宣伝の方向性など、開業に向けた準備をより具体的に進めていけます。
開業資金の調達
開業に必要な資金を調達するためには、自己資金と融資を組み合わせることが一般的です。
まずは、自己資金として、どの程度用意できるのか把握しましょう。できる限り多くの自己資金を用意することで、借入金を抑えられるため、開業後の経営リスクを軽減できます。
自己資金の目安は、開業資金の30%程度が目安とされています。残りの資金は、融資等を利用して調達しましょう。
融資を利用するためには、一定の要件を満たす必要があります。また、融資条件や金利などを比較検討し、自社に最適な融資制度を選択することが重要です。
店舗物件の選定
店舗を開業する際、最も重要なのが店舗物件の選定です。
店舗物件の選定には、事前の商圏調査が有効です。事前に商圏調査を行うことで、出店エリアの人口動態や競合状況、交通アクセスなどを把握できます。
例えば、人口の多い地域や交通量の多い場所であれば、顧客の集客は見込めるかもしれませんが、競合店との差別化が重要になるでしょう。一方で、人口が少なめでも交通アクセスが良ければ、ターゲットを絞って勝負するのも一つの選択肢です。このように商圏調査を行うことで、お客様の属性や集客力を見極め、最適な物件を選定できます。
店舗物件の選定は、自身のビジネスモデルや開業資金、商圏調査、開業スケジュールなどを総合的に勘案し、最適な物件を慎重に選びましょう。
印鑑の作成
店舗を開業する際、各種書類の押印用として印鑑を用意する必要があります。
使用する印鑑は、下記3種類が一般的です。
印鑑は、早めに準備しておくことがおすすめです。特に実印は、各種申請書類に使用するため、開業前に作成しておきましょう。
必要書類の提出
開業する業界・業種によって、関係各所に必要書類の提出が必要です。
必要書類の提出にあたり、下記を意識しましょう。
開業する業界・業種に必要な書類を把握し、提出先や期限を守って提出しましょう。
【業種別】開業に必要なもの
ここからは、開業に必要なものを業種別にご紹介します。
● 飲食店
● パン屋
● ネイルサロン
● エステサロン
● リラクゼーション
● 小売店
● オフィス
今回は、各業種に特化したものを厳選しています。
飲食店
飲食店開業する際に必要なものは、下記のようなものが挙げられます。
厨房設備は、営業許可の基準を満たす必要があるため、要件を満たしているものを設置しなければいけません。備品は、お店の雰囲気づくりに大きな影響を与えるため、店舗コンセプトに合わせた選定が重要です。価格や使いやすさを考慮して揃えましょう。
パン屋
パン屋を開業する際には、一般的な飲食店とは異なる設備や備品が必要となります。
具体的には、下記のようなものが必要です。
パン屋では、大型で特殊な設備を設置する必要があります。また、パン作りに特化した厨房備品は、店舗コンセプトや作りたいパンのイメージに合わせて揃えましょう。販売に関する備品には、お店のロゴを印字するなどのブランディングも大事です。
ネイルサロン
ネイルサロンを開業する際に必要なものは、下記の通りです。
ネイルサロンに必要な設備・備品は、自身が使いやすく、作業効率の良いものを揃えましょう。一方で、お客様の快適性を考えた備品も重要です。お客様の立場に立って、いかに快適に過ごしてもらえるかを考えて選ぶことが大切です。
エステサロン
エステサロンを開業する際に必要なものは、提供するサービスや規模によって変わってきます。
主な必要備品・設備としては、下記の通りです。
● ベッド
● エステ用機器(フェイシャル機器、ボディ機器など)
● ホットタオルキャビネット
● お客様用ローブ・タオル・シーツ
● 化粧品
● エステオイル
● スチーム設備
エステサロンのメインとなる施術機器は、提供するサービスによって大きく変わり、1台で数百万円もすることがあります。また、お客様に満足してもらうために、備品や内装、照明などにもこだわり、お店全体で満足してもらう空間作りが大切です。
リラクゼーション
もみほぐしを中心とするリラクゼーション店舗を開業するには、下記の設備が必要です。
● 施術ベッド
● 施術用チェア
● タオルウォーマー
● フットバス
● タオル
お客様に快適な施術環境を提供するために、高品質で機能的な設備が重要です。また、オイルマッサージやアロマテラピーなどのサービスを提供する場合は、アロマディフューザー やエッセンシャルオイル、オイルウォーマー、専用のタオルなどが必要です。
提供するサービスの内容や規模を踏まえ、必要な施術設備を事前に洗い出しましょう。
小売店
小売店を開業する際に必要なものは、下記の通りです。
小売店の雰囲気づくりには、什器や小物の選定が重要です。ターゲット層に合わせて、洗練された店内演出を心がけましょう。
オフィス
事業を開業する際にオフィスを立ち上げる場合は、下記のものを揃える必要があります。
業務に必要なものから、従業員の休憩時に必要なものまで、オフィス運営に必要な備品を一通り揃えましょう。従業員の要望に応じて、随時追加していくことも大切です。
店舗探しにはテナリード
本記事では、店舗開業にあたり必要なものリスト・やることリストを解説しました。
店舗を開業するためには、関係各所への届出、必要な資格の取得、開業資金の調達、店舗物件が必要です。スムーズな開業にするためには、コンセプトの決定や印鑑の作成、店舗物件の選定などやることがたくさんあります。業種別でも必要なものや手続きが違うため、事前によく調べることが大切です。本記事を参考に、店舗開業に必要なものを漏れなく準備しましょう。
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