店舗開業の流れを11ステップで解説!スムーズに行うポイントも紹介

店舗開業を成功させるには、事業計画書の作成から物件探し、資金調達や工事、スタッフ採用など様々なステップを経なければいけません。しかし、一つずつ着実にこなしていけば、夢の店舗開業を実現できます。本記事では、店舗開業の流れを11ステップに分けて解説します。

目次

    店舗の開業は、夢を実現する一歩ですが、同時に多くの準備と手続きが必要です。適切な計画と準備を行えば、スムーズに開業できます。しかし、準備を怠れば多くの問題に直面するかもしれません。本記事では、店舗開業の流れを11ステップに分けて詳しく解説し、スムーズに開業するためのポイントを解説します。

    店舗開業までの期間

    店舗開業までの期間は、一般的には約1年程度といわれています。しかし、業界・業種・地域、内装工事の規模などによって変動します。飲食店であれば、内装工事や設備工事に数ヶ月が必要です。また、営業許可の取得や人材採用、メニュー開発などにも時間がかかるため、1年以上かかることもあります。一方、サービス業や小売業の場合は、物件の内装工事が比較的簡易なことが多いため、半年程度で開業できることもあります。
    このように、業種によって開業までの期間は大きく異なりますが、目安として1年程度と頭に入れておくと良いでしょう。

    店舗開業の流れを11ステップで解説

    店舗開業の流れを11ステップで解説の写真


    店舗開業の流れを下記、11ステップで解説します。

    1.   事業計画書の作成
    2.   物件探し
    3.   開業形態の決定と手続き
    4.   開業に必要となる許認可申請・資格取得
    5.   開業資金の調達
    6.   店舗の内装工事
    7.   商品の仕入れ・メニュー開発
    8.   店舗運営オペレーションの決定
    9.   スタッフ採用・研修
    10. プレオープン
    11. 開業

    ここで紹介する開業までの流れは、あくまでも一般的な流れです。業態や状況によって異なることがあります。

    1.事業計画書の作成

    事業計画書とは、店舗を開業する際に事業の内容、優位性、売上見込み、必要経費などを詳細にまとめたものです。頭の中にあるビジネスプランを具体化し、整合性や利益率などを把握するために作成します。
    事業計画書は、下記の点で重要な役割を果たします。

    ●   金融機関から融資を受ける際に、事業の内容や収支計画の説明資料になる
    ●   スタッフを雇用する際に、会社の事業内容や将来ビジョンを説明する資料になる
    ●   事業プランの整合性や利益率などを確認し、課題を発見できる

    事業計画書の作成は、事業の土台を固めるために欠かせません。開業後も、実際の売上や経費の推移に合わせて事業計画書を適宜見直し、修正していくことが重要です。

    2.物件探し

    物件探しは店舗開業の重要なステップです。まずは商圏調査を行い、出店する地域の人口動態、競合状況、交通アクセスなどを把握することが大切です。商圏調査を行うことで、見込み来店客数の予測や、ターゲット層に合った立地選定ができます。
    物件の種類には、大きく分けてスケルトン物件と居抜き物件の2種類があるため、予算やオープンスケジュールに合わせて、どちらにするか決めましょう。立地や間取りは集客に直結するため、商圏調査の結果を最大限活かし、慎重に物件を選定することが成功のカギとなります。

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    スケルトン物件

    スケルトン物件とは、前のテナントが利用していた内装、設備、什器などがない状態のことです。つまり、内装などがすべてない「空っぽ」の状態の物件です。
    スケルトン物件は、自分のお店のコンセプトやイメージに合わせて、こだわりの内装や設備を自由に取り入れられます。前のテナントの残置物に縛られることなく、完全にオリジナルの店舗作りができることが大きな魅力です。しかし、スケルトン物件は、内装工事や設備工事を一から行う必要があるため、工事期間が長くなりがちで、工事費用も高額になりやすいです。居抜き物件に比べると、開業までの期間とコストがかさむ可能性が高くなります。
    スケルトン物件を選ぶ場合は、十分な準備期間と開業資金を確保しておきましょう。

    居抜き物件

    居抜き物件とは、前のテナントの内装、設備、什器をそのまま残してある状態のことです。自由なレイアウトやデザインはしづらいですが、すでにある内装や設備、什器を使えるため、開業時のコストを抑えられます。
    居抜き物件を選択するかどうかは、店舗コンセプトやコストと自由度のバランスなどを総合的に勘案して検討しましょう。

    居抜き物件に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
    →『居抜き物件とは?メリット・デメリット、契約の注意点を解説』

    3.開業形態の決定と手続き

    店舗を開業する際、個人事業主として開業するのか、法人を設立して開業するのかを決める必要があります。一般的に、規模が小さく一店舗だけで始める場合は、個人事業主として開業することが多いです。個人事業主として事業をスタートし、軌道に乗ってきたら節税対策や経営の安定化などの観点から法人化することも可能です。一方、複数の店舗展開を視野に入れている場合などは、法人設立を検討しましょう。
    開業形態を決めたら、付随する税務手続きを行う必要があります。個人事業主の場合は開業届の提出、法人の場合は法人設立届の提出が必要です。

    4.開業に必要となる許認可申請・資格取得

    開業する事業によっては、各管轄機関への許可申請や届出が必要です。
    業種によって必要な手続きは異なりますが、例としては下記のようなものが必要です。

    ●   営業許可申請(保健所)
    ●   古物商許可(警察署)
    ●   防火対象物使用開始届(消防署)
    ●   労働保険の加入手続き(労働基準監督署)
    ●   社会保険の加入手続き(日本年金機構)

    許認可申請には一定の審査期間がかかるため、開業予定日に余裕を持って手続きを行う必要があります。事前に管轄の窓口に確認し、必要書類を整えましょう。

    5.開業資金の調達

    開業には、一定の資金が必要です。自己資金だけでは足りない場合は、開業資金を外部から調達しなければいけません。開業資金の調達方法として利用されるのは、公的機関である日本政策金融公庫の創業融資制度や金融機関での融資、補助金・助成金などです。開業資金には、初期投資費用だけでなく、売上が軌道に乗るまでの運転資金も確保しておく必要があります。
    そのため、開業費用と運転資金を合わせた必要資金額を事前に算出し、自己資金と外部調達資金でしっかりと確保しておきましょう。

    6.店舗の内装工事

    店舗の工事は、お店のコンセプトやイメージを具現化する大切な工程です。
    まずは、信頼できる施工業者を選定します。複数の業者から見積もりを取り、実績や評判、価格等を比較検討しましょう。
    施工業者が決まれば、コンセプトに沿った内外装のデザインを具体化していきます。店舗のイメージに合わせて、壁の色や照明、什器の配置など細かな部分までこだわることで、お客様に印象的な店舗空間を提供できます。また、看板やロゴデザインなども重要です。専門のデザイナーに依頼し、ブランディングを行うことで認知度の向上が期待できます。工事が完了した後は、レジや椅子・テーブルなどの備品を揃えます。飲食店の場合は、厨房機器の手配も欠かせません。必要な備品リストを作成し、スムーズな調達を心がけましょう。

    7.商品の仕入れ・メニュー開発

    店舗の業種や業態によって、作業内容は大きく異なります。
    飲食店と小売店を例にすると、下記のような違いがあります。

    商品の仕入れ・メニュー開発の表


    事前の市場調査と競合分析を行い、自社の強みを活かした商品構成を立てることが成功のカギとなります。

    8.店舗運営オペレーションの決定

    店舗運営オペレーションの決定は、スムーズな業務運営に欠かせません。仕入れ、品出し、調理、接客、販売、売上管理、在庫管理、清掃など、店舗運営に関わるすべての業務について、最適な流れやルーティンを事前に決めておく必要があります。
    具体的には、下記の点を意識してオペレーションを決めていきます。

    ●   各業務の具体的な手順を細かく決める
    ●   業務間の連携を考慮し、無駄のない効率的な流れを作る
    ●   作業動線を意識し、無駄な移動を減らす
    ●   ピーク時間帯などの混雑時にも対応できるようにする

    効率的で無駄のないオペレーションを構築することで、開店後の業務がスムーズに回ります。また、スタッフを採用する場合は、オペレーションの内容をマニュアル化しておきましょう。マニュアル化することで、作業の標準化とスムーズな新人教育が実現できます。開店当初は想定外の事態も起こりうるため、オペレーションは柔軟に見直しを行い、改善を重ねていくことが重要です。

    9.スタッフ採用・研修

    スタッフを雇用する際は、適切な採用手続きと十分な研修が重要です。
    採用方法は求人情報サイトや雑誌への有料広告掲載、店頭での求人ポスター掲示、人材紹介サービス、知人からの紹介などの手法があります。募集要項を作成する前に、スタッフの具体的な業務内容を決め、求める人材像やスキルを明確にしておくことが大切です。また、求人媒体への掲載には、一定の費用がかかることも念頭に置いておきましょう。
    採用が決まれば、研修を実施し、スムーズな店舗運営ができるよう準備を整えます。研修では、業務内容や接客マナー、商品知識など、店舗運営に必要な知識やスキルを身につけさせます。十分な研修を行うことで、お客様に質の高いサービスを提供できるでしょう。

    10.プレオープン

    プレオープンは、実際の開業に向けた試験的な営業期間のことです。プレオープンは、飲食店などで行われることが多く、開業準備を整えた後に数日ほど実施します。
    この期間中は、下記のようなことを確認し、開業に向けて対策を講じます。

    ●   実際の営業を想定した接客練習
    ●   キッチンやホールでの動線の確認
    ●   メニューの検証と改善
    ●   在庫管理やレジ操作の確認
    ●   スタッフ教育と業務の徹底
    ●   設備や備品の不具合チェック

    プレオープンでは、実際の営業に近い環境で店舗運営の確認ができるため、開店前に不備を見つけられる重要な機会となります。不安要素を改善・整理して、万全の体制で開業を迎えましょう。

    11.開業

    準備が完了すれば、晴れて開業の日を迎えられます。
    開業のタイミングに合わせて、様々な告知や宣伝を行います。チラシやポスターの掲示、新聞やフリーペーパーへの広告掲載など、効果的な手段を複数組み合わせましょう。開店前から周知を行えば、開業当日から集客が期待できます。また、SNSアカウントを開設して、開店準備の様子や店舗コンセプトなどを発信していくこともおすすめです。

    店舗開業までの流れをスムーズに行うポイント

    店舗開業までの流れをスムーズに行うポイントの写真


    店舗開業をスムーズに行うためには、下記のことを意識して取り組みましょう。

    ●   事業計画を明確にする
    ●   商圏分析を行う
    ●   店舗コンセプトを明確にする
    ●   コンセプトに沿った店舗物件の選定
    ●   はじめは小さなお店からスタートする
    ●   資金調達のノウハウを学ぶ

    事業計画を明確にする

    事業計画は店舗開業の土台です。
    事業計画を明確にすることで、自社の強みや弱み、ターゲット顧客、商品・サービスの独自性などが分析でき、開業後の運営をスムーズに進められます。
    事業計画では、下記のような項目を明確にします。

    事業計画を明確にするの表


    事業計画は、開業後の運営の指針となるため、十分に検討を重ね具体的で現実的な計画を立てましょう。

    商圏分析を行う

    商圏分析とは、お店を訪れる可能性のあるターゲット層が生活する地域の情報を分析することです。具体的には、出店を検討しているエリアで生活している人の特徴、曜日や時間帯別の人流、土地柄などについて調べます。
    商圏分析には、下記のようなメリットがあります。

    ●   人通りの多い場所や時間帯が分かり、効果的な営業時間を設定できる
    ●   ターゲット層の属性が分かり、ニーズに合ったサービスを提供できる
    ●   競合店の状況が分かり、自店の差別化ポイントを明確にできる
    ●   地域の特性が分かり、適切な店舗コンセプトを決められる

    このように、出店を検討しているエリアの詳細なデータを収集・分析することで、自社の商品・サービスに適した立地選びや販促施策が立案できます。

    店舗コンセプトを明確にする

    店舗開業をスムーズに行うためには、店舗のコンセプトをしっかり決める必要があります。
    コンセプトを検討する際は、「5W1H」を活用するとわかりやすいです。

    ●   なぜその店を開業するのか(ゴール・目的)
    ●   誰に提供するのか(ターゲット層)
    ●   何を提供するのか(商品・サービス)
    ●   いつ提供するのか(営業時間など)
    ●   どこで提供するのか(立地環境)
    ●   どのように提供するのか(コンセプトに沿った雰囲気作り)

    このように、5W1Hの観点からコンセプトを深掘りすることで、お店のターゲット層、提供する価値、立地、内装・サービスのあり方が明確になります。コンセプトが明確になれば、立地選定や内装など一貫性のある魅力的な店舗づくりができるでしょう。

    コンセプトに沿った店舗物件の選定

    店舗のコンセプトに沿って立地・物件を選ぶことは、店舗開業の最重要事項の一つです。立地や物件の選定を誤ると、開業後に想定していた集客ができず、経営が行き詰まるリスクがあります。
    適切な物件を見つけるためには、コンセプトに基づいて必要な条件を洗い出し、優先順位をつけることが大切です。
    例えば、賃料、最寄り駅からの距離や所要時間、面積、階数などの条件をリストアップし、妥協できる点と譲れない点を明確にしましょう。さらに、交通の便や周辺環境、競合店の有無なども考慮に入れる必要があります。ターゲット層がスムーズにアクセスできる立地なのか、コンセプトに合った街並みや雰囲気かどうかなども重要なポイントです。競合店が多すぎても集客が難しくなる可能性があり、逆に少なければ需要があるかどうかを見極める必要があります。

    はじめは小さなお店からスタートする

    店舗経営経験が少ない場合は小規模な店舗から始めれば、失敗したリスクを最小限に抑えることができます。小規模店舗のメリットは、下記の通りです。

    ●   初期投資が比較的少なくて済む
    ●   人件費などのランニングコストを抑えられる

    小規模店舗であれば、資金的なリスクを最小限に抑えつつ、経営のノウハウを身につけられます。店舗経営の経験が少ない方は、小規模店舗から着手し、徐々に規模を拡大していくことが賢明です。

    資金調達のノウハウを学ぶ

    開業には多額の資金が必要となるため、自己資金だけでは不足する場合があります。そのような場合には、資金調達のノウハウを学び、外部から資金調達を行わなければいけません。
    代表的な資金調達の方法としては、融資と補助金・助成金があります。

    資金調達のノウハウを学ぶの表


    開業時の資金調達は大変です。しかし、金融機関や専門家からノウハウを学び、準備することで可能な限り有利な条件で資金を調達できるでしょう。

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    本記事では、店舗開業の流れを11ステップで解説しました。
    店舗開業までの道のりは決して簡単ではありません。しかし、事前に綿密な計画を立て、商圏分析や資金調達のノウハウを学ぶなど着実に準備することが大切です。特にコンセプトを明確にし、それに沿った適切な物件選定を行うことが最重要ポイントです。
    本記事を参考に店舗開業をスムーズに進めていきましょう。

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