品川駅周辺は、複数のJR路線と京浜急行、東海道新幹線が交わる首都圏屈指の巨大ターミナルです。ビジネス街と観光エリアが隣接し、平日昼はオフィスワーカー、夜間や週末は観光客や地元住民が集まる多様な商圏を形成しています。
本記事では、品川で店舗開業を検討している方に向けて、駅の特徴や利用者数、商圏特性、人気業態、開業までの流れや成功のポイントを詳しく解説します。
品川駅の特徴・開業に必要な情報
品川駅は、山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線などのJR各線と、京浜急行本線、東海道新幹線が交わる首都圏有数の巨大ターミナルです。成田・羽田の両空港方面へのアクセスも良好で、オフィス街、ホテル群、再開発エリアが駅前に連続し、平日・休日ともに安定した人流が見込めます。
まずは品川駅の1日あたりの乗降者数や、駅周辺の雰囲気などを紹介します。
品川駅の主要路線・乗降者数
品川駅は、以下の6路線が乗り入れています。
・JR山手線
・JR京浜東北線
・JR東海道本線
・JR横須賀線
・JR東海道新幹線
・京急本線
主要路線が多いことからもわかるように、品川駅の利用規模は首都圏トップクラスです。
JR東日本が公表する2023年度の1日平均乗車人員は274,221人で、JR東日本の駅ランキングでは6位となっています。
インバウンドや出張者のターミナル駅としての役割が数字にも表れています。
また、品川駅はリニア中央新幹線の始発・終着駅として工事が進められており、今後ますます利用者数が増える見込みです。
品川駅の雰囲気・ターゲット層
品川駅の港南口は、朝と昼に強いオフィスワーカーの流れが特徴です。短時間での飲食やテイクアウト、身だしなみ・健康系サービス、ワークブースやジムなど時短価値と相性の良い業態が伸びやすい環境といえるでしょう。
高輪口はホテル・エンタメ・大型商業の利用が厚く、夜間・週末は観光客や出張者、ファミリー層の回遊が増えます。駅直結・駅前ビルと地上動線の双方で人の流れが途切れず、価格帯もカジュアルからハイエンドまで幅広いのが強みです。
品川駅周辺の店舗物件の平均賃料
品川駅周辺の店舗物件の平均賃料を調べると、1坪あたり28,000円ほどです。
例として、20坪ほどの広さのカフェを開業したいとお考えなら、月々560,000円が賃料の平均となります。ただし、路上に面している1階の店舗か、2階の店舗かといった条件によって賃料相場は大幅に変動します。毎月の収支と集客見込みのバランスが重要です。
品川駅周辺に多い店舗業態
品川駅周辺で最も多い業態は飲食業です。駅ナカやオフィス直結では「速い・手軽・高回転」なランチ特化型が強く、夕方以降は居酒屋需要が立ち上がります。
ホテル群の存在により高単価のレストランやバー、アフタヌーンティーなど体験付加価値型も成立しやすい一方、テイクアウト・デリバリーの基礎需要も底堅いのが品川らしさです。
小売店はドラッグストア、惣菜・ベーカリー、土産・スイーツ、コンビニが主力で、生活・出張のついで買いに強いラインナップとなっています。
品川駅周辺で開業するメリットと注意点
品川駅周辺での開業をお考えなら、以下のメリットと注意点を踏まえて事業計画を立てましょう。
・ビジネスパーソンの通行量が多い
・観光客やインバウンド需要も狙える
・物件価格が高く、短期で採算をとる戦略が求められる
それぞれ、詳しく見ていきます。
ビジネスパーソンの通行量が多い
品川駅周辺はビジネスパーソンの通行量が多いため、品川駅の港南口付近では朝食・ランチ・カフェ需要が非常に強い印象です。
並び時間に抵抗がある顧客層が多いため、モバイルオーダーや事前決済、スピード提供、テイクアウト専用窓口の設置など、待ち時間を削る工夫が直接の売上に結びつきます。
オフィスビルの稼働カレンダーや会議時間の山を読み、ピーク前倒しの仕込みと回転設計ができると、同じ席数でも回転率が上がります。
観光客やインバウンド需要も狙える
高輪口のホテル群や商業施設、水族館やシネマなどのレジャー導線により、夜間・週末のレジャー需要も安定的です。
多言語表記、キャッシュレス多様化、アレルゲン・ベジタリアン・ハラール対応などの基本整備は、来訪者の心理的ハードルを下げます。スーツケース対応のスペース配慮や、早朝・深夜の営業時間拡張も差別化要素になります。
物件価格が高く、短期で採算をとる戦略が求められる
品川駅周辺エリアにおいて、駅前一等地は賃料水準が高く、初期費用が膨らみがちな点は注意が必要です。
初期費用を押さえるため、居抜き物件を活用するのも一つの手でしょう。
固定費を回収できるまでの期間を短縮するには、開業初月からクーポンの配布や近隣法人向けデリバリーなどを同時投入する設計が有効です。
品川駅周辺のように競争が激しく、良い物件ほど水面下で動くエリアでは、情報の鮮度と到達スピードが成否を分けます。
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品川駅周辺で開業する流れ
品川駅周辺エリアで店舗開業をする際は、以下の5つのステップで進めましょう。
・事業計画書の作成
・資金調達
・許認可の取得
・開業届の提出
・集客準備
店舗開業の流れについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
「店舗開業の流れを11ステップで解説！スムーズに行うポイントも紹介」
事業計画書の作成
まずは、自身の開業したい店舗業態に合わせて事業計画書を作成しましょう。
品川駅周辺エリアでは朝・昼・夜・週末で顧客像が明確に変わるため、時間帯別の売上・粗利・客数を算出し、テイクアウト・デリバリー・サブスクなど来店以外の売上導線も併記すると具体性が増します。
事業計画書は、融資や物件交渉ですぐ使える精度に仕上げるため、仮説と検証を複数回転させることが大切です。
資金調達
店舗開業では、事前の計画的な資金調達が大切です。
自己資金に加え、日本政策金融公庫の創業融資、自治体制度融資、信用保証協会付融資などを組み合わせ、運転資金に対して余裕を持った資金繰りができるようにしましょう。
また、補助金や助成金の対象可否は早期に確認します。金融機関には、坪売上、家賃倍率、回収期間、人時生産性の見込みを提示すると審査がスムーズです。
店舗開業の際に活用できる助成金や補助金については、
以下の記事でも詳しく紹介しています。
「開業時におすすめの補助金・助成金制度11選。申請時の注意点も解説」
許認可の取得
飲食店や美容室、整体院など業種によっては、開業前に保健所や所轄官庁からの許可・認可を取得する必要があります。
例として、飲食店は食品衛生責任者資格を持った人員を配置し、保健所の営業許可を得ることが必須です。品川駅は港区に位置するため、港区みなと保健所が管轄となります。
許認可の取得には図面や設備の確認が必要になるため、物件契約と並行して早めに着手するとスムーズです。
その他、業種によっては開業にあたって必要な資格などもあります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
「開業に必要な資格を業種別に紹介！カフェ・不動産・サロンを始めるには？」
開業届の提出
個人事業は事業開始から1ヶ月以内に所轄税務署へ開業届を提出しましょう。品川駅周辺エリアの管轄は「品川税務署」になります。
また、青色申告承認申請書も同時に出すと控除や損失繰越が使えます。法人は登記後に法人設立届、青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届などを提出しましょう。
社会保険や労働保険の手続きもこの時点で着手しておくと、オープン後の運営がスムーズになります。
集客準備
開業の目処が立ったら、集客準備を進めていきましょう。
Googleビジネスプロフィールを整備し、InstagramなどのSNSでお店の雰囲気や一押しメニューを紹介します。
駅前・商業ビルの媒体、近隣法人へのフライヤー、ホテルコンシェルジュ向け案内などローカルの接点も活用するのが品川エリアにおけるポイントです。
開業日までに、プレオープンや近隣挨拶、先着特典の準備なども実施しましょう。
品川駅周辺での開業を成功させるポイント
品川駅周辺は客層が厚く、価格帯のレンジも広い一方で、運営の精度がダイレクトに損益へ跳ね返る市場です。品川駅周辺での開業を成功させるポイントとして、以下の3つを押さえましょう。
・忙しいビジネスパーソンを意識したスピード感のある提供を徹底する
・高単価でも納得感のあるクオリティで勝負する
・平日中心の営業スタイルを前提とした業態設計を行う
一つずつ、詳しく解説します。
忙しいビジネスパーソンを意識したスピード感のある提供を徹底する
品川駅周辺エリアでオフィスワーカー向けに店舗を始めるなら、ピーク時間の待たせない設計が必要不可欠です。
モバイルオーダー、QR注文、会計のキャッシュレス化などを工夫することで、1人当たりの所要時間を短縮します。厨房と客席の距離、導線の交差、仕込みの前倒し、ピーク前の人員再配置など、秒単位の改善が1日ごとの売り上げアップにつながるでしょう。
高単価でも納得感のあるクオリティで勝負する
高輪口を中心に、特別な日の外食や出張の「ここで食べたい需要」があります。
高単価を成立させるには、味・素材・器・接客・空間・提供スピードが一貫して高品質であること、そしてここだけの体験が用意されていることが重要です。視覚・香り・音・物語性の演出や、持ち帰り可能な名物の用意は、価格への納得感を高めます。
平日中心の営業スタイルを前提とした業態設計を行う
港南口は平日比重が高いため、平日昼の稼ぎで固定費を吸収し、夜・週末は企画やコース、土産、宿泊者向けセットなどで上積みする二段構えが有効です。
人員・仕込み・発注の波形を平日中心に合わせ、週末は変動費化できるメニューやイベントで対応するのが成功のポイントです。
品川駅周辺での店舗物件探しなら「テナリード」へ
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まとめ
品川駅周辺は、ビジネス・観光・居住の需要が複合的に集まる首都圏屈指の商業エリアです。
駅利用者数は首都圏でもトップクラスで、平日昼はビジネス需要、夜間や週末は観光・宿泊客、地元住民が集まり、さまざまな業態で集客のチャンスがあります。一方で、賃料水準が高く、物件獲得の競争も激しいため、収益化までのスピードや運営の効率性が重要です。時間帯やターゲットに合わせた商品設計や接客、短期で投資回収できるモデルを採用することが成功への近道です。
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