居抜き物件で居酒屋を開く際のポイント|土地選びのコツや注意点

居抜き物件で居酒屋を開きたい方へ。初期費用を抑えつつスムーズに開業するためのメリット・デメリット、立地選びのコツ、注意点をわかりやすく解説します。

目次

    居酒屋を開業する際、「できるだけ初期費用を抑えたい」「早くオープンしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。そんなときに有力な選択肢となるのが居抜き物件です。前店舗の設備や内装をそのまま引き継げるため、ゼロから改装するよりもコスト削減や時間短縮につながります。

    一方で、前店舗のイメージや設備状態など、注意すべき点も少なくありません。
    本記事では、居抜き物件で居酒屋を開業する際の、メリット・デメリット、立地選びのコツまで含めて詳しく解説します。

    居抜き物件とは

    居抜き物件とは、前に営業していた店舗の内装や設備をそのまま残した状態で賃貸・売却される物件を指します。厨房機器やカウンター、テーブルや椅子など、飲食店の運営に必要な什器・備品が引き継がれるケースも多く、ゼロから店舗をつくる「スケルトン物件」とは対照的です。

    特に飲食業界では、調理設備や給排水工事、ダクト工事といった初期投資が大きいため、居抜き物件を活用することで開業のハードルを下げられるのが大きな特徴です。物件によっては「造作譲渡費用」と呼ばれる追加費用が発生するものの、同じエリアでスケルトンから出店する場合に比べ、総額を大幅に抑えられる可能性があります。

    こうした居抜き物件はスピーディーかつ低コストで開業できる現実的な選択肢として注目されています。

    居抜き物件の定義や基本情報については、以下の記事で詳しく紹介しています。
    「居抜き物件とは?メリット・デメリット、契約の注意点を解説」

    飲食業界での居抜き物件の活用状況

    飲食業界では、居抜き物件の利用は決して珍しいものではなく、新規開業の有力な手段として広く活用されています。

    例えば、日本政策金融公庫が行った調査によると、遊休不動産を貸し出す際に「居抜きの状態で貸した」ケースが約5割にのぼり、その中には飲食業の事例も多く含まれています。
    また、生活衛生関係営業(飲食店や理容・美容業など)に関する景気動向調査でも、「コロナ禍の影響が薄れた後、居抜き物件を活用して新規開業する飲食店が増えている」と公式に報告されています。

    さらに、国土交通省の地価動向レポートでも、地域によっては「居抜き飲食店への需要が旺盛」と記載されるなど、飲食業における居抜きニーズの高さが裏付けられています。

    このように、公的な調査からも「居抜き物件での飲食店開業」が着実に増えていることがわかります。居酒屋を含む飲食業界では、初期投資や準備期間を抑えられる居抜き物件は、今後も重要な選択肢であり続けるでしょう。

    参考:「小企業における経営資源の引き継ぎに関する実態調査」結果
    参考:厳しい状況にあるものの持ち直しの動きがみられる生活衛生関係営業の景況
    参考:価格形成要因等の概要

    居酒屋の居抜き物件の探し方

    居酒屋を開業するにあたって、理想的な居抜き物件を探すにはいくつかの方法があります。
    代表的なのは、

    不動産業者への直接相談
    居抜き物件専門のポータルサイトの利用
    業界ネットワークや知人からの紹介

    といった手段です。

    特に飲食店は地域特性や立地条件が大きく成功を左右するため、複数の情報源を組み合わせて探すのがポイントです。
    また、インターネットで公開されている物件だけでなく、非公開で流通している物件情報を得られるかどうかも、理想の店舗探しの成否を分ける重要な要素となります。

    居酒屋の居抜き物件探しにおすすめのサイト

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    この仕組みによって、通常は市場に出ない秘匿性の高いテナント物件や空き予定の居抜き物件に出会える可能性が広がります。さらに、全国の事業用物件に強い不動産業者と、直接やり取りしながら相談できるため、居酒屋開業に適した立地や条件を効率的に探すことができます。

    「一般公開されていない物件に出会いたい」「居酒屋向きの物件を効率的に見つけたい」という方には、テナリードの活用が心強い選択肢となるでしょう。

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    居抜き物件で居酒屋を開業するメリット

    居抜き物件で居酒屋を開業するメリットの写真


    居抜き物件を活用することで、開業時の負担を大きく軽減できるのが特徴です。特に資金面やスケジュール面での優位性があり、開業準備を効率的に進められます。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。

    開店コストを抑えられる

    居抜き物件を活用する最大のメリットは、初期費用を大幅に削減できる点です。

    通常、居酒屋を一から立ち上げる場合は、厨房設備やカウンター、座席、空調設備などを新規で導入する必要があり、数百万円単位の出費となります。

    居抜き物件であれば、こうした設備や内装がすでに整っているため、大規模な投資を避けられます。限られた資金を仕入れや広告宣伝費に回せるのも大きなメリットです。

    開店までの時間を短縮できる

    通常の出店では、物件契約後に設計・施工のプロセスを経てオープンに至るまで、半年近くかかるケースも少なくありません。

    居抜き物件の場合、基本的な内装や厨房機器が揃っているため、必要な補修やクリーニングを施せば、数週間から1〜2ヶ月程度で開業できるケースもあります。スピード感を持って開業したい場合、居抜き物件は非常に有利です。

    減価償却費の削減につながる

    新しい設備や内装を導入すると、税務上は「資産」として計上し、耐用年数に応じて減価償却を行う必要があります。これは会計上の負担となり、毎年の経費計上にも影響します。

    一方、居抜き物件では中古設備を引き継ぐため、新規投資に比べて減価償却の負担が軽くなるのが特徴です。特に開業初期の資金繰りにおいては、固定費の圧縮は大きな安心材料となるでしょう。

    居抜き物件で居酒屋を開業するデメリット

    コストや時間の面で魅力のある居抜き物件ですが、注意すべき点もあります。既存の内装や設備を引き継ぐがゆえに発生する制約やリスクがあるため、事前に把握しておくことが重要です。

    ここでは代表的なデメリットを解説します。

    改修が必要になることもある

    居抜き物件は基本的に前店舗の設備や内装を引き継ぎますが、必ずしも自分の業態に完全に合うとは限りません。厨房機器の配置が動線に合わない、老朽化した設備の入れ替えが必要になる、といったケースは少なくありません。

    結果的に、改修工事や設備更新に思った以上の費用がかかる可能性があります。

    内装や設備の自由度が低い

    スケルトン物件と異なり、居抜き物件はすでに完成された内装や設備が残されています。そのため、ゼロからデザインを構築する自由度は低くなるのが実情です。

    理想の雰囲気やコンセプトを追求したい場合、既存の内装が制約となり、追加工事やデザイン変更のコストが発生する場合もあります。

    前店舗のイメージが残る可能性がある

    居抜き物件を引き継ぐ際には、前店舗の印象や評判がそのまま影響するリスクも考えられます。例えば、前の店舗が不人気だったり、衛生面で悪い印象を持たれていた場合、地域の利用者にネガティブなイメージが残っている可能性があります。

    居酒屋として再スタートを切るには、リニューアルやブランディングを徹底し、前店舗との差別化を図る工夫が欠かせません。

    居抜き物件で注意すべきこと

    居抜き物件は初期投資を抑えられる反面、契約や設備の状態をしっかり確認しないと、思わぬトラブルにつながることがあります。開業後に余計なコストや手間が発生しないよう、事前に押さえておきたい注意点を解説します。

    設備の状態や契約条件を確認する

    引き継ぐ設備が正常に稼働するかどうかは、開業後の運営コストに直結します。

    厨房機器や空調設備、給排水設備、電気容量などを一つひとつ点検し、動作確認や耐用年数を必ずチェックしましょう。故障や老朽化が見つかれば修繕や交換が必要になり、想定外の出費につながります。また、契約条件によっては設備の修理責任がオーナー側か借主側かで異なるため、契約書に記載されている範囲を確認しておくことも重要です。

    造作譲渡費用の妥当性を見極める

    居抜き物件では、前の借主が残した内装や設備を引き継ぐために「造作譲渡費用」が発生することがあります。
    日本金融公庫の創業の手引でも、「居抜き物件を探されている方は、譲渡価格の妥当性を検証し、前オーナーがどんな理由で店を閉めたかを確認してください。閉店の理由が、立地的な問題だった場合は注意が必要です。」と記載されています。

    参考:創業の手引+

    しかし、造作譲渡費用には明確な基準がなく、相場より高額に設定されているケースも少なくありません。設備の使用年数や状態、修繕の必要性を考慮し、費用が適正かどうかを判断しましょう。専門家や不動産業者に相談して妥当性を確認することで、不必要な支払いを避けることができます。

    解約・原状回復のルールを把握する

    居抜き物件で開業した後、将来的に移転や閉店を検討する可能性もあります。その際に重要になるのが、解約条件と原状回復義務です。たとえば「解約は6ヶ月前に通知が必要」「床や壁の張り替えまで求められる」など、契約内容によって借主の負担は大きく変わります。

    契約前に原状回復の範囲や条件をしっかり確認し、万が一の撤退時にも過大な費用負担を避けられるようにしておきましょう。

    居抜き物件で居酒屋を開く際の立地選びのコツ

    居抜き物件で居酒屋を開く際の立地選びのコツの写真


    居抜き物件を選ぶうえで、立地は成功を大きく左右する要素です。居酒屋は地域住民やオフィスワーカーなど「誰に来てもらうか」を明確にすることで、最適なエリアを絞り込めます。ここでは、立地選びで押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

    ターゲット層の動線とニーズを考える

    居酒屋を利用するターゲット層が「会社帰りのビジネスパーソン」なのか、「地元の住民」なのかで選ぶべき立地は変わります。駅前の繁華街であれば会社員の集客に強く、住宅街に近い立地であれば家族連れや地元の常連客を獲得しやすいでしょう。

    誰に来てもらいたいのかを明確にし、その層の動線やニーズに合った場所を選ぶことが大切です。

    昼夜の人通りや競合店の状況を調査する

    居酒屋は夜の集客が中心になるため、昼だけでなく夜間の人通りを調べることが必須です。また、周辺にどのような居酒屋や飲食店があるか、競合の強みや弱みも把握しておくと戦略を立てやすくなります。

    例えば、同じ価格帯の居酒屋が密集していれば差別化が必要ですし、逆に競合が少ないエリアなら新規顧客を取り込みやすいといえます。

    周辺環境と物件の外観イメージをチェックする

    立地だけでなく、周辺の雰囲気や物件の外観も来店の決め手になります。治安や街並みがよく、入りやすい外観であれば集客につながりやすいでしょう。反対に、暗い路地裏や老朽化した外観では初来店のハードルが高くなります。看板の設置場所や視認性、周辺の街灯の明るさなども含めてチェックしておくと安心です。

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    理想の居抜き物件を見つけるには、公開されていない物件情報をどれだけ収集できるかがポイントです。通常の物件サイトでは出会えないケースも多いため、効率よく探すには専門サービスを活用するのがおすすめです。

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    「早く開業したい」「条件に合う非公開物件を探したい」という方は、居抜き物件探しのパートナーとしてテナリードを活用してみてください。

    まとめ

    居抜き物件は、居酒屋開業においてコスト削減や開業スピードの面で大きなメリットがあります。ただし、前店舗のイメージや設備の状態、契約条件といったリスクもあるため、メリットとデメリットを正しく理解した上で慎重に判断することが重要です。

    さらに、立地選びや非公開物件へのアクセスも成功のカギを握ります。効率的に理想の物件を探したい方は、完全オファー型で不動産業者とつながれる「テナリード」を活用することで、一般には出回らない優良な居抜き物件と出会える可能性が広がるでしょう。

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