まつげサロン・まつエクサロンの開業の流れ|開業費用や成功のコツ

まつげサロン・まつエクサロンの開業に必要な資格や許可、費用の目安から開業手続き、成功のためのポイントまでを徹底解説。独立や起業を考える方に役立つ実践的な情報をまとめました。

目次

    まつげエクステやまつげパーマといった「目元美容」への関心は年々高まり、まつげサロン・まつエクサロンは安定した需要を持つ成長分野として注目されています。独立や副業として開業を目指す人も増えており、比較的少ない資金でスタートできる点も魅力のひとつです。

    しかし、実際に開業するためには、美容師免許の取得や保健所への届出、資金計画の立案など、押さえておくべきポイントが数多くあります。また、競合が増えるなかで差別化を図るには、サロンのコンセプトづくりや集客戦略も欠かせません。

    本記事では、まつげサロンの市場動向から開業に必要な資格・許可、費用の目安、そして成功のための実践的なポイントまでを整理してご紹介します。これから開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

    まつげサロン開業の基本情報

    まつげサロンは、美容室やネイルサロンと並んで需要の高いビューティーサービスのひとつです。特に近年は「目元美容」への関心が高まり、エクステやまつげパーマを中心に利用者が増加しています。ここでは、市場の動向と開業のメリットを整理してご紹介します。

    まつげサロンの市場動向

    まつげサロンを含む「アイビューティーサロン市場」は、ここ数年大きく成長を続けています。

    2024年上期の市場規模は1,179億円(前年比+28.9%)で、2025年上期には1,384億円(前年比+17.4%)に拡大すると言われています。

    参考:【アイビューティーサロン編】美容センサス2024年上期

    利用者層では、20代・30代女性に加えて40代女性の利用率や消費金額が増加しているのが特徴です。また、まつげパーマやラッシュリフトといった「ナチュラル志向」や「時短美容」のニーズが伸びており、リピート需要が高い市場となっています。今後も安定した需要が見込まれる分野といえるでしょう。

    まつげサロン開業のメリット

    まつげサロン開業には、以下のようなメリットがあります。

    少ない資金で開業できる
    リピート率が高い
    成長市場で新規参入のチャンスがある
    差別化の余地が大きい

    このように、まつげサロンは比較的低コストで始められるうえに、定期的な来店が見込めるため安定した経営につながりやすい業態です。さらに、市場自体が拡大しているため新規参入の余地も十分にあり、サービスや技術で工夫を凝らすことで他店との差別化もしやすいという強みがあります。起業や独立を検討している方にとって、魅力的な選択肢となる分野といえるでしょう。

    まつげサロン開業に必要な資格

    まつげサロン開業に必要な資格の写真


    まつげサロンを開業するには、国家資格の美容師免許が必須です。まつげエクステやまつげパーマは美容師法で「美容行為」とされており、無資格で施術を行うことはできません。
    アイリストを目指す人は、美容学校を卒業し国家試験(学科・実技)に合格する必要があります。

    この背景には、2000年代に流行したまつげエクステによるトラブルの増加があります。厚生労働省は2008年に通達を出し、「施術者には美容師免許が必要」と明確に定めました。安全性を守るために法律で資格が義務づけられているのです。

    参考:まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について

    さらに、複数人での運営には管理美容師が必要になります。この資格を得るためには、3年以上理容、または美容の業務に従事していなければなりません。
    アイリストが複数人になる場合は、開業前に取得しておきましょう。

    参考:管理理容師・管理美容師の概要

    また、必須ではありませんが、JECA(日本まつ毛エクステンション認定機構)やJEA(日本アイリスト協会)などが実施する民間資格を取得すると、専門的な知識や技術を証明でき、顧客からの信頼やキャリアアップにつながります。

    まつげサロン開業に必要な許可・届出

    まつげサロンを開業する際は、資格だけでなく行政への届出が必要です。

    具体的には、以下の手続きを行います。

    保健所への申請(美容所登録・美容所開設届)
    店舗設備の整備
    税務署への届出(開業届・青色申告承認申請など)

    まつげサロンを開業する際には、まず保健所に相談することから始めましょう。

    開業するサロンは法律上「美容所」にあたるため、保健所へ「美容所開設届」を提出しなければなりません。提出後には施設検査があり、待合室や施術室の区画、換気・照明、衛生管理設備などが基準を満たしているか確認されます。基準をクリアしてはじめて営業が認められます。

    保健所によって必要書類が異なる場合があるため、所轄の保健所に事前に問い合わせておきましょう。

    参考:美容所の開設に関する基準等について

    保健所は美容所開設届を受理して検査を行うだけでなく、計画段階から設備や構造の基準に照らしてアドバイスをしてくれます。

    物件を選ぶ際に水回りや換気の配置などで問題がないかを事前に確認できるため、借りてから工事に悩むリスクを避けられます。
    また、美容所開設届の記入方法や添付書類についても相談できるので、不明点は電話などで事前に解消しておくと安心です。

    さらに、事業を始める際には税務署への届出も重要です。「個人事業の開業届」に加え、青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」を提出します。これにより節税効果が期待でき、事業経営の安定につながります。

    このように、まつげサロンを開業する際は、美容師免許の有無だけでなく、保健所・消防署・税務署など複数の行政機関に対して必要な手続きを行うことが求められます。各種手続きをスムーズに進めるためにも、開業準備の段階から事前に確認・相談しておくと安心です。

    まつげサロン開業に必要な費用目安

    まつげサロンの開業には、物件取得から内装工事、備品購入、広告宣伝までさまざまな費用がかかります。ここでは、一般的な費用の目安と内訳をご紹介します。

    初期費用

    まつげサロンの初期費用は、規模や立地によって差はありますが、おおよそ200万〜300万円程度が目安とされています。内訳としては以下のような項目があります。

    初期費用の表


    小規模な自宅サロンや1ベッドの個人サロンであれば100万円前後からスタートできる場合もありますが、テナントで複数ベッドを設置するような店舗型サロンでは300万円を超えるケースもあります。

    運転費用

    開業後も毎月の運営に必要な経費を見込んでおくことが大切です。運転費用の目安は月あたり30万〜50万円程度で、主に以下のような支出があります。

    運転費用の表


    開業後すぐに安定した売上が見込めるとは限らないため、最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分の運転資金を用意しておくと安心です。

    資金調達の方法

    まつげサロンの開業に必要な資金の調達方法は、以下のようなものがあります。

    自己資金
    日本政策金融公庫の融資制度
    民間金融機関の融資
    自治体の助成金・補助金

    自己資金はもっとも確実な資金源であり、融資を受ける際にも「どれだけ自己資金を用意しているか」が重視されます。目安としては、総資金の2〜3割程度を自己資金でまかなえると理想的です。

    日本政策金融公庫の融資制度は、美容サロンの開業資金に対応しており、創業者向けの「新創業融資制度」など無担保・無保証で利用できるものがあります。開業間もない事業者にとって頼れる資金調達先です。

    さらに、地方銀行や信用金庫など民間金融機関の融資も選択肢となります。日本政策金融公庫と併用して利用されるケースも多く、しっかりとした事業計画書を作成することで審査に通りやすくなります。

    加えて、地域ごとに用意されている助成金や補助金を活用するのも有効です。小規模事業者持続化補助金や創業支援補助金などを利用できれば、広告宣伝費や内装費の一部を補助してもらえる可能性があります。

    開業時に利用できる助成金などは、以下の記事で詳しく解説しています。
    開業時におすすめの補助金・助成金制度11選。申請時の注意点も解説

    まつげサロン開業の流れ

    まつげサロン開業の流れの写真


    まつげサロンを開業するには、資格の取得から物件選び、手続きや集客準備まで、順序立てて進めることが重要です。以下に基本的な流れを整理しました。

    開業前に必要な資格を獲得する

    まつげサロンを運営するためには、国家資格である美容師免許が必須です。美容学校で必要なカリキュラムを修了し、国家試験(学科・実技)に合格する必要があります。取得には2年程度の学習期間がかかるため、開業を目指す人は早めに資格取得の計画を立てることが重要です。

    そのほか、アイリストが2人以上になる場合は、管理美容師の資格も取得しておきましょう。

    開業方法を決める

    開業方法には「自宅サロン」「テナントを借りる」「シェアサロンを利用する」といった選択肢があります。自宅サロンはコストを抑えられる一方、居住スペースとの区切りや家族の理解が必要です。テナント型は初期費用は高くなりますが、立地や店舗規模を自由に設定でき、本格的に経営したい人に適しています。シェアサロンは初期投資を最小限に抑えられるため、まず試験的に開業したい人に向いています。

    開業場所を選定する

    立地選びはサロンの集客力を大きく左右します。ターゲット層が通いやすい場所かどうかを確認し、駅やバス停からのアクセス、周辺に競合がどの程度あるかを調査しましょう。例えば、住宅地の中心やショッピングエリアの近くは安定した集客につながりやすいですが、競合も多い傾向があります。一方で郊外では固定客を確保できれば安定的に経営できる可能性があります。

    事業計画書を作成する

    開業資金の内訳や月々の運転費用、売上目標などを具体的にまとめた事業計画書を作成します。事業計画書は融資の審査に必要となるだけでなく、自分自身が経営を続けていく上での指針にもなります。ターゲット層や提供メニュー、価格帯、差別化のポイントなどを盛り込み、経営の方向性を明確にしておきましょう。

    資金調達を行う

    自己資金をベースに、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や地方銀行・信用金庫などの融資を組み合わせて資金を準備します。補助金や助成金を活用できれば初期投資を抑えることができ、資金繰りが楽になります。初期費用に加えて、最低でも3〜6ヶ月分の運転資金を準備しておくと安心です。

    設備・備品の購入をする

    施術ベッド、ライト、ワゴン、グルーやエクステ毛などの材料を揃えます。内装工事では、待合室や施術スペースを明確に区切り、換気・照明などが保健所の基準を満たしているかを確認することが大切です。顧客が安心して通えるよう、清潔感とリラックスできる雰囲気づくりも意識しましょう。

    開業の手続きをする

    サロンを営業するには、保健所へ「美容所開設届」を提出し、施設検査を受ける必要があります。その際、待合室や施術室の区画、洗面や換気設備などが基準を満たしているか確認されます。併せて税務署への「開業届」や「青色申告承認申請書」の提出も必須です。スタッフを雇用する場合は、労働保険や社会保険の手続きも忘れずに行いましょう。

    集客を行う

    開業準備と並行して集客施策を進めることが成功のカギです。ホットペッパービューティーなどの予約サイトへの掲載はもちろん、InstagramやTikTokといったSNSでの発信も効果的です。オープン時にはキャンペーンや割引を実施し、新規顧客を呼び込みましょう。開業後は顧客の口コミやリピーター獲得が集客の大きな柱になるため、丁寧な接客と技術力の向上を継続していくことが重要です。

    まつげサロン開業を成功させるポイント

    まつげサロンを開業して長く経営を続けていくためには、資格や手続きといった準備だけでなく、運営の工夫も欠かせません。以下のポイントを意識することで、安定したサロン運営につながります。

    サロンのコンセプトを明確にする

    まず大切なのは「どんなサロンを目指すのか」というコンセプトを明確にすることです。
    ナチュラル派・高級志向・スピード重視・デザイン性重視など、打ち出す方向性によってターゲット層や価格帯、メニューの内容は大きく変わります。コンセプトが曖昧だと「どんなお客様に来てほしいのか」が伝わらず、集客も難しくなります。開業前の段階で、自分の強みや得意な施術をもとにサロンの方向性をはっきりさせましょう。

    リピーターを獲得する

    まつげエクステやパーマは定期的にメンテナンスが必要なため、リピーターの獲得が経営の安定に直結します。

    そのためには、丁寧なカウンセリングを行い、お客様の希望やまつげの状態に合った提案をすることが重要です。さらに、アフターケアの説明やホームケア商品の提案を通じて「信頼できるサロン」という印象を与えることで、再来店につながります。ポイントカードや次回予約割引などの仕組みを用意すると、顧客の定着率がより高まります。

    Webでの集客も重要

    サロン探しや予約の多くがスマートフォン経由で行われる時代、Web集客は欠かせません。
    ホットペッパービューティーやGoogleビジネスプロフィールに登録し、写真や口コミを充実させることで検索からの来店につながります。さらに、InstagramやTikTokといったSNSで施術写真や動画を発信すれば、低コストで集客できるだけでなく、サロンの世界観を伝えることも可能です。Webを活用してブランドイメージを作り上げることが、安定した集客基盤につながります。

    マーケティング・経営の基礎知識を身につける

    技術力が高くても、経営が安定しなければ長期的な運営は難しくなります。
    利益率を高めるための原価計算や損益分岐点の把握、広告費や人件費の管理など、最低限の経営知識を身につけておくことが重要です。また、顧客管理や予約システムの活用、口コミ分析などもマーケティングの一部です。セミナーやオンライン講座を利用して基礎を学んでおけば、感覚に頼らず数字に基づいた経営判断ができるようになります。

    立地と物件選びも重要

    まつげサロンにおいて立地は大きな成功要因のひとつです。
    ターゲット層の生活導線にあるかどうか、周辺の競合状況、物件の外観や雰囲気がサロンのイメージに合うかを慎重に見極めましょう。例えば、駅近や商業施設周辺は集客力が高い反面、家賃が高いというデメリットがあります。住宅街や郊外であればコストを抑えられますが、固定客をいかに確保するかが課題となります。サロンのコンセプトやターゲット層と一致する場所を選ぶことが成功につながります。

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    まとめ

    まつげサロン開業には、美容師免許の取得や保健所への届出、初期費用や運転資金の準備といった「必須のステップ」が存在します。しかし、成功するかどうかを分けるのは、それ以降の「経営と運営の工夫」です。

    まず、サロンのコンセプトを明確にし、ターゲット層に合ったサービスや空間を提供することが基本です。そのうえで、定期的に来店してくれるリピーターを獲得し、安定的な売上を確保することが重要になります。さらに、SNSや予約サイトを活用したWeb集客を強化し、口コミを広げることで新規顧客の獲得にもつなげられます。

    また、経営面では利益とコストのバランスを見極め、数字に基づいた判断ができるようにしておくことが欠かせません。そして、サロンの立地や物件選びを誤らないことも大きなポイントです。

    市場が拡大している今こそ、入念な準備と戦略的な運営で差別化を図れば、まつげサロン開業は大きなチャンスになります。技術力と経営力を両立させ、長く愛されるサロンを目指しましょう。

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