近年、幅広い世代で人気を集めている「ボードゲームカフェ」。友人同士や会社帰りのグループが気軽に集まり、幅広いボードゲームを楽しめる場として注目されています。カフェの要素と遊びの要素を掛け合わせた業態は、新しいコミュニティスペースとしても価値が高く、開業を目指す人が増えているのも特徴です。
しかし、ボードゲームカフェを成功させるには「どのような資格や許可が必要なのか」「開業にはいくらくらいの資金がかかるのか」といった疑問を解決することが欠かせません。本記事では、ボードゲームカフェ開業に必要な情報を整理し、成功するためのポイントをご紹介します。
ボードゲームカフェの開業に関する基本情報
ボードゲームカフェは、飲食を楽しみながら多彩なボードゲームで遊べる空間として人気が高まっています。開業を検討するにあたり、まずは市場の広がりや参入するメリットを理解しておくことが大切です。ここでは、ボードゲームカフェの市場規模と、開業することで得られる主なメリットについて解説します。
ボードゲームカフェの市場規模
近年、世界的にボードゲームの需要は拡大を続けています。グローバル市場規模は2024年に約1,437億米ドルと評価され、2025年には1,583億米ドルへ拡大、2032年には3,200億米ドル規模に達すると予測されています。2025年から2032年の間は年平均成長率(CAGR)10.58%と高い成長率を示しており、エンターテイメント分野の中でも注目度が高まっています。
地域別に見ると、北米が2024年時点で41.68%のシェアを占め、強い市場を形成しています。欧州では教育的要素や戦略ゲームへの関心が高まり、アジア太平洋地域では中国やインドを中心にミレニアル世代・Z世代の人気を背景に需要が増加しています。こうしたグローバルな拡大傾向は、ボードゲームを楽しむ場所としての「ボードゲームカフェ」の存在価値を押し上げているのです。
特にボードゲームカフェは、単なる遊び場にとどまらず「人と人がつながるコミュニティスペース」として機能している点が特徴です。新しいテーマ性のあるゲームや人気作品を題材にしたボードゲームの登場は、日本でも顧客層をさらに広げ、カフェ業態のビジネスチャンスを大きくして行くでしょう。
参考:ボードゲームの市場規模、シェア、トレンド分析[2032]
ボードゲームカフェ開業のメリット
ボードゲームカフェを開業するメリットは、単なる飲食店や遊戯施設にはない独自性にあります。
まず一つ目は、差別化しやすい業態であることです。通常のカフェに「遊び」の要素を加えることで、他店にはない体験価値を提供でき、話題性やリピーター獲得につながります。
二つ目は、幅広い客層を取り込めることです。友人同士のグループ利用やカップル、家族連れはもちろん、会社帰りの同僚やイベント目的の利用など、多様なシーンで需要があります。とくに近年は若い世代を中心にボードゲーム人気が高まっており、SNSでの拡散効果も期待できます。
三つ目は、コミュニティ形成の場になることです。ボードゲームは人と人が向き合って楽しむ遊びであるため、自然に交流が生まれます。常連客同士のつながりやイベント開催によって、地域密着型のコミュニティスペースとして定着しやすいのも強みです。
このように、ボードゲームカフェは収益性だけでなく「人と人をつなげる場所」としての社会的価値も高く、今後の成長が見込まれる魅力的なビジネスモデルといえます。
ボードゲームカフェ開業に必要な資格
ボードゲームカフェを開業するにあたって、特別な資格が必須というわけではありません。ただし「飲食サービスを伴うかどうか」によって、必要となる資格や許可が変わります。
まず、コーヒーや軽食などの飲食を提供する場合は、食品衛生責任者の資格が必要です。これは1日程度の講習を受けることで取得でき、飲食店を営業する上で必ず店舗ごとに配置しなければならない資格です。また、アルコールを提供する場合は、深夜営業を行うかどうかによって「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要になるケースもあります。
さらに、スタッフや利用客の安全を守るために、防火管理者の資格取得や消防署への届出も重要です。規模が大きい店舗になるほど防火・防災体制が求められるため、開業前に確認しておくと安心です。
一方で、ボードゲーム自体を提供することに特別な免許は不要です。ただし、店舗で音楽や映像を流す場合には著作権の取り扱いに注意する必要があります。
つまり、ボードゲームカフェの開業に必須となるのは「食品衛生責任者」「防火管理者」など、主に飲食・店舗運営に関する資格や届出です。資格自体は取得しやすいものが多いため、早めに準備しておくことでスムーズに開業手続きを進められます。
ボードゲームカフェ開業に必要な費用目安
ボードゲームカフェを開業するにあたっては、店舗の準備にかかる初期費用と、継続して運営していくための運転費用を見積もっておく必要があります。以下では、それぞれの目安を紹介します。
初期費用
ボードゲームカフェの開業準備に必要な初期費用は、物件や店舗規模によって変動しますが、小規模でスタートする場合は、200万円台でも開業可能です。
一般的な目安は以下の通りです。

内装にこだわったり、ゲームラインナップを充実させたりすると費用は高くなります。
初期費用で一番比重が高いものは物件取得費用や内外装工事ですので、カフェなどの居抜き物件を活用することで大幅に初期費用を抑えることができます。
運転費用
開業後の毎月の運営コストは、固定費と変動費に分かれます。運転費用は、店舗の規模や飲食提供があるかでも変わります。
飲食提供がある場合は、おおよそ月50万円~80万円程度かかります。金額は目安ですので、店舗規模に合わせて計算しておくと良いでしょう。
以下は1ヶ月あたりの目安です。

売上が安定するまでは黒字化までに時間がかかるため、少なくとも3ヶ月〜半年分の運転資金を確保しておくことが望ましいです。
資金調達の方法
ボードゲームカフェ開業に必要な資金調達の方法には以下のようなものがあります。
・日本政策金融公庫などの公的融資制度
・自治体の創業支援補助金・助成金
・信用金庫や地方銀行からの融資
・家族・知人からの借入
・クラウドファンディングの活用
公的融資は無担保・無保証で利用できる制度があり、多くの個人開業者が活用しています。補助金や助成金は返済不要のため、条件が合えば積極的に利用するのがおすすめです。また、ボードゲームというジャンルは共感を得やすいため、クラウドファンディングで資金を集めつつ開業前からファンづくりを進める事例も増えています。
ボードゲームカフェ開業の流れ

ボードゲームカフェを成功させるためには、準備から開業後の運営までの流れをしっかり把握しておくことが大切です。以下に、開業までの一般的なステップを紹介します。
コンセプトを決定する
まずは「どんな人に来てもらいたいのか」「どんな雰囲気をつくりたいのか」といったコンセプトを明確にします。ファミリー層向けなのか、大人の隠れ家的な雰囲気にするのかによって、導入するゲームの種類や内装デザイン、提供するドリンクやフードの内容も変わってきます。
開業場所を選定する
次に重要なのが立地選びです。駅近や繁華街などアクセスが良い場所は集客しやすい一方、家賃が高額になる傾向があります。学生が多いエリア、オフィス街、住宅街など、ターゲットとする客層に合った場所を選ぶことが成功のカギです。
事業計画書を作成する
売上予測、運営コスト、回収プランなどを含めた事業計画書を作成します。事業計画書は資金調達の際に金融機関や自治体へ提出する重要な資料になるため、収益モデルやリスクへの対応策を盛り込んでおくことが求められます。
資金調達を行う
必要な初期費用や運転資金を踏まえて、自己資金と融資・補助金などを組み合わせた資金調達を行います。公的な創業融資や自治体の助成金は、返済負担を軽減できるため積極的に検討しましょう。
開業時に利用できる助成金などは、以下の記事で詳しく解説しています。
「開業時におすすめの補助金・助成金制度11選。申請時の注意点も解説」
設備・備品の購入をする
店舗の内装工事や家具の購入、ボードゲームの導入を行います。ボードゲームは定番タイトルを中心に揃えつつ、珍しいゲームや話題性のあるゲームを導入すると差別化につながります。テーブル・椅子のレイアウトは、遊びやすさと居心地の良さを両立できるように工夫しましょう。
開業の手続きをする
飲食を提供する場合は「食品衛生責任者」の資格取得や保健所への営業許可申請が必要です。さらに、消防署への防火管理者選任届や税務署への開業届の提出など、必要な手続きを漏れなく行いましょう。
集客を行う
開業後はSNSやWEBサイトでの情報発信、オープニングキャンペーンや体験イベントなどを行い、認知度を高めましょう。常連客を増やすために、スタンプカードや会員制度を導入するのも効果的です。口コミやSNS拡散を通じてファンを増やし、継続的に来店してもらえる仕組みづくりが重要です。
ボードゲームカフェ開業を成功させるポイント

ボードゲームカフェは注目度の高い業態ですが、開業すれば必ず成功できるわけではありません。利用者にとって居心地が良く、また行きたいと思える空間をつくるためには、いくつかの工夫が欠かせません。ここでは、成功につながる具体的なポイントをご紹介します。
ターゲットに合わせたゲーム選定と内装づくり
利用客が求める体験に応じて、ゲームの種類や店内の雰囲気を整えることが大切です。ファミリー層を意識するならルールが簡単な定番ゲームを中心に、大人向けなら戦略性のある中・重量級ゲームを揃えると満足度が高まります。内装もターゲットに合わせて、明るくカジュアルな空間にするか、落ち着いた雰囲気を演出するかを工夫すると良いでしょう。
利用料金や滞在ルールの工夫でリピーターを獲得する
料金体系や利用ルールは、来店動機やリピート率に直結します。時間制とフリープランを組み合わせたり、ドリンク込みのセット料金を用意したりすることで、幅広いニーズに対応できます。また、長時間の利用を想定した快適な椅子やフリードリンク制度は、リピーターの獲得につながります。
イベント・集客施策で継続的な話題を生む
定期的なイベントを開催することで、新規顧客の獲得と常連客の満足度向上を両立できます。初心者向けの「ルール説明会」や「交流会」、テーマ性のある大会などは特に人気です。さらにSNSでの告知やキャンペーンと組み合わせれば、話題性を高めつつ集客効果を拡大できます。
立地と物件選びも重要
ボードゲームカフェは「気軽に立ち寄れる場所」であることが重要です。駅からのアクセスが良い、人通りが多い、学生や会社員が集まりやすいといった条件は大きな強みになります。物件選びの段階からターゲット層の行動パターンを意識し、利便性の高い立地を確保することが成功の基盤となります。
とはいえ、自分に合った条件の物件を一から探すのは大きな手間がかかります。
そんなときに役立つのが、店舗物件マッチングサービス「TENALEAD(テナリード)」です。
エリアや規模、ターゲット層に合わせた物件を効率的に探せるほか、非公開の物件情報に出会えるチャンスもあります。これからボードゲームカフェを開業したい方は、ぜひテナリードを活用して理想の立地を見つけてみてください。
まとめ
ボードゲームカフェは、遊びと飲食を融合させた新しい形のコミュニティスペースとして注目を集めています。開業にあたっては、必要な資格や許可を整えることはもちろん、初期費用・運転費用を把握し、適切な資金調達を行うことが成功の第一歩です。
また、ターゲットに合わせたゲーム選定や料金体系、イベント企画、そして立地選びなど、細部にこだわることでリピーターを獲得しやすくなります。ボードゲーム市場は世界的に拡大を続けており、日本でも需要は増加傾向にあるため、今後さらに成長の余地があるビジネスモデルといえるでしょう。
理想の物件を探す際には、店舗物件マッチングサービスの「テナリード」を活用するのがおすすめです。条件に合った物件を効率的に探し、開業準備をスムーズに進めることで、ボードゲームカフェの夢を実現していきましょう。

