脱毛サロンの開業の流れ|必要な資格や費用・成功のポイント

近年の美容需要の高まりを背景に、脱毛サロンは個人でも開業しやすい業態として注目を集めています。本記事では、脱毛サロン開業に必要な資格や費用、主な手続き、成功させるためのポイントなどを詳しく紹介します。

目次

    美容サービスの中でも比較的少ない資金と小規模な設備で始められる脱毛サロンは、近年独立や副業の手段としても注目されています。

    しかし、開業には具体的な準備が必要であり、物件選びから集客戦略、運営の知識まで幅広く考えなければなりません。

    そこで本記事では、脱毛サロン開業に必要な基礎知識から必要な手続き、費用の目安、開業までの流れなどを分かりやすく解説します。

    脱毛サロンの開業は難しい?

    脱毛サロンを開業するにあたって、「そもそも今の市場で勝算があるのか」「個人で始めるメリットはあるのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

    ここでは、業界の動向や参入のしやすさを客観的に確認し、どのようなチャンスがあるのかを詳しく見ていきましょう。

    脱毛サロンの市場動向

    これまで「脱毛=女性」という認識が一般的でしたが、近年では男性の脱毛サロン利用が着実に増加しています。株式会社リクルートの美容に関する調査研究機関である「ホットペッパービューティーアカデミー」によると、男性の1年以内の脱毛サロン利用率は2021年の4.3%から2025年には5.6%に上昇し、女性の利用率を超えました。

    参考:キーワードは『男女逆転』と『美眉』!逆風の脱毛市場を勝ち抜く、新たな顧客の見つけ方

    脱毛市場全体で見ると、2021年に一時的な縮小が見られたものの、2017年以降は総じて右肩上がりの成長傾向が続いています。

    また、セルフ脱毛サロンなどの新業態も徐々に浸透しつつあり、施術方法や提供スタイルも多様化しました。I・Oラインを含むデリケートゾーンの脱毛や、男性Vラインなどの施術ニーズも増加しており、ターゲットは一層細分化しています。

    こうした背景から、脱毛サロン市場は「価格・効果・通いやすさ」といった観点で棲み分けが進みつつも、依然として新規参入のチャンスがある成長業界であると言えるでしょう。

    参考:脱毛市場調査

    脱毛サロン開業のメリット

    脱毛サロンは、少人数かつ小スペースでも運営しやすい業態であり、比較的低コストでのスタートが可能です。施術は回数制・予約制であることが多く、安定した収益が見込める点が大きな魅力です。

    また、一度顧客との信頼関係を築ければリピーター化しやすく、定期的な通院を前提としたサービス設計ができるため、集客効率も高まります。それだけでなく、客単価が高めに設定できる上、物販やオプションメニューによる追加収益も期待できます。

    脱毛サロンは競合が多い業界ではありますが、明確なターゲットやコンセプトを打ち出せば小規模でも十分に勝負できるビジネスモデルといえるでしょう。

    脱毛サロン開業に必要な資格

    美容脱毛サロンを開業する際、国家資格などの特別な資格は必要ありません。必要な機材や設備が揃っていれば、美容業界での経験がなくても開業可能です。

    ただし、安全性が高い脱毛機器を使用していても、使い方を誤ると肌トラブルにつながる恐れがあります。こうしたリスクを避けるためには、民間資格の取得をおすすめします。

    主な資格として、専門知識と技術を証明できる「認定美容脱毛エステティシャン」や、脱毛の国際ライセンスといわれている「認定電気脱毛士」、美肌ケアの知識も含まれる「美容脱毛士」などが挙げられます。

    なお、医療脱毛は医療行為に該当するため、医師免許などの国家資格が必要です。そのため、医療脱毛機器は原則としてエステサロンでは取り扱うことができないので注意してください。

    脱毛サロン開業に必要な許可・届出

    脱毛サロンを開業する際には、法律に基づいたいくつかの手続きや届出が必要です。無許可のまま営業を始めてしまうと、営業停止などのリスクが発生するため、事前に必要な準備を確認しておくことが大切です。

    脱毛サロンが非医療脱毛を提供する一般的なエステサロンに該当する場合、保健所への「美容所登録」は不要とされています。しかし、店舗で提供するサービスの内容や規模によっては、各自治体で独自の指導があるケースもあるため、事前に保健所へ相談しておくと安心です。

    また、個人事業主として開業する場合は「開業届」の提出が税務署に対して必要です。法人として運営する場合は、法人設立登記も求められます。脱毛サロンを始める際は、開業時の届出や営業ルールを事前に把握しておくことでスムーズなスタートを実現できます。

    脱毛サロン開業に必要な費用の目安

    脱毛サロン開業に必要な費用の目安の写真


    脱毛サロンの開業には、「初期費用」と「運転費用」を用意する必要があります。ここでは、それぞれの費用の目安や資金調達する際の方法を具体的に解説します。

    初期費用

    脱毛サロンの初期費用でかかる金額の内訳の概算は以下の通りです。初期費用は、200万〜800万円程度を見込むのが一般的です。

    初期費用の表


    脱毛サロン開業の初期費用は、規模や立地、導入する機材の種類によって幅があります。特に脱毛機器は高額なため、どのような施術を提供するかを明確にした上で機器を選定することが大切です。

    運転費用

    運転費用でかかる金額の内訳の概算は以下の通りです。運転費用の目安は毎月80万円ほどですが、規模によっても変動するため、規模に合わせた計算が必要になります。

    運転費用の表


    開業直後は集客が安定せず赤字になることも多いため、少なくとも半年分の運転資金を確保しておくとリスクを抑えられます。

    資金調達の方法

    十分な自己資金がない場合には、資金調達を検討する必要があります。主な方法としては、日本政策金融公庫などの公的融資、銀行のビジネスローンなどが挙げられます。

    また、自治体によっては脱毛サロンのようなサービス業でも利用可能な助成金・補助金制度が用意されている場合があり、これらを活用すれば自己資金の負担を軽減できます。

    融資や助成金を受けるためには、事業計画書や見積書、収支計画書などの書類が必要となるため、事前にしっかりと準備しておきましょう。

    脱毛サロン開業の流れ

    脱毛サロン開業の主な流れは以下の通りです。

    コンセプトを決定する
    開業場所を選定する
    事業計画書を作成する
    資金調達を行う
    設備・備品の購入をする
    開業の手続きをする
    集客を行う

    脱毛サロンの開業には、明確な手順と準備が必要です。感覚や勢いで進めるのではなく、各ステップを丁寧に進めていくことで安定した経営の土台を築くことができます。
    ここでは、開業までの流れを順を追って解説します。

    コンセプトを決定する

    脱毛サロンの開業において、最も重要なのがコンセプトの明確化です。誰に向けたサロンなのか、価格帯やサービス内容、サロンの雰囲気などを具体的にイメージすることが、すべての準備において指針となります。

    「学生向けの低価格サロン」「完全予約制のプライベート空間」「メンズ専門サロン」など、ターゲットを明確にすることで、内装や立地、広告展開も一貫性が生まれます。

    また、方向性を決めれば競合との差別化も図りやすくなるため、市場での立ち位置を明確にする意味でもコンセプト設計は欠かせない要素です。

    開業場所を選定する

    サロンの立地は、集客力と売上に直結する重要な要素です。駅近や人通りの多い商業エリアはもちろん、住宅街やオフィス街などもコンセプト次第では大きなメリットとなります。

    物件を選定する際は賃料だけでなく、導線の良さや換気・水回り設備の有無、他テナントの業種などを考慮すると良いでしょう。

    ただし、ビルや店舗の管理規約により美容業の営業が制限されている場合があるため、契約前に用途確認を徹底することが大切です。

    事業計画書を作成する

    開業準備を着実に進めるためには、事業計画書の作成が不可欠です。提供サービスの内容やターゲット層、価格帯、競合との違いなどを明確にした上で、収支シミュレーションや今後の運営戦略を盛り込みます。

    融資を受ける場合、この計画書は審査資料として重要であり、内容の説得力が審査の可否に直結します。自分の考えや方向性を整理するためにも、丁寧に計画を練るようにしましょう。

    資金調達を行う

    脱毛サロンの開業には、ある程度まとまった資金が必要です。自己資金だけでは足りない場合は、上述したような方法で資金調達を行ってください。

    さまざまな資金調達方法がありますが、その中でも日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は無担保・無保証人で利用できるため、初めての開業者でも比較的ハードルが低いです。

    また、補助金や助成金制度も合わせて活用すれば、資金の負担をさらに軽減することが可能です。

    設備・備品の購入をする

    資金が確保できたら、脱毛サロンに必要な設備や備品の手配を始めます。業務用脱毛機は高額ですが、性能や安全性を重視して選ぶことが重要です。

    その他にも、施術用ベッドやワゴン、タオル、施術者の制服、レジ端末やパソコン、インテリア雑貨など、揃えるものは多岐にわたります。予算に応じて新品・中古・リースの選択肢を検討し、必要なものから優先的に用意するようにしましょう。

    開業の手続きをする

    開業に向けては、各種届出や手続きを適切に行う必要があります。個人事業主で始める場合は税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出し、法人として開業する場合は法務局での法人登記が必要です。

    また、店舗運営において消防法や建築基準法に関わる確認が必要となる場合もあるため、事前に自治体や消防署に相談しておくと安心です。

    集客を行う

    集客は、脱毛サロン開業の成功の鍵を握る要素です。開業前からSNSやブログ、Webサイトなどで情報を発信し、地域の潜在顧客にアプローチしておくとオープン初日からの集客に弾みがつきます。

    また、Googleビジネスプロフィールやホットペッパービューティーなどの集客プラットフォームも効果的です。

    さらに、開業キャンペーンや初回限定割引、紹介特典などの施策を組み合わせれば、新規顧客の獲得だけでなくリピート促進にもつながるでしょう。

    脱毛サロン開業を成功させるポイント

    脱毛サロン開業を成功させるポイントの写真


    脱毛サロン開業を成功させるポイントとして、以下の5点が挙げられます。

    他店との差別化を行う
    技術を磨く・スタッフ教育を行う
    リピーターを獲得する
    マーケティング・経営の基礎知識を身につける
    立地と物件選びも重要

    脱毛サロンは、参入が比較的しやすい業種である一方で競合も多いため、単純に開業しただけでは安定経営にはつながりません。ここでは、開業後に長く選ばれ続けるサロンをつくるための実践的なポイントを具体的に解説します。

    他店との差別化を行う

    競合が多い脱毛業界において、他店との違いを明確に打ち出すことは重要です。「男性専用」「肌質別に対応した機器導入」など、ターゲットやサービス内容に特化することで独自性を創出できます。

    また、内装やBGMなどの雰囲気づくりにもこだわることで顧客満足度を高めることができ、SNSでの口コミ拡散にもつながります。価格競争に巻き込まれずに安定した経営を実現するためには、開業前から競合分析を行っておき、差別化できる戦略を設計しておきましょう。

    技術を磨く・スタッフ教育を行う

    脱毛サロンの信頼性を高めるためには、高い技術力と安定したサービス品質の提供が欠かせません。施術者が安心・安全に施術を行えるよう、機器の操作や肌の基礎知識、衛生管理などに関する研修を徹底して行いましょう。

    スタッフを雇用する場合は、一定の教育カリキュラムを設けることでサービスのばらつきを抑えることができます。技術力に優れたスタッフは、お客様の信頼を得やすくリピートにもつながるため、教育への投資は将来的な売上安定に直結します。

    リピーターを獲得する

    脱毛サロンの収益モデルは、リピーターによる継続利用に大きく支えられています。そのため、初回来店時の対応や施術後のフォロー、通いやすさの提供が重要です。

    また、LINEやSNSを活用した来店促進、誕生日クーポンやスタンプカードといった継続特典の導入もリピート率を上げる工夫として有効です。お客様の不安や不満を拾い上げることで、サービス向上と離脱防止につながるでしょう。

    マーケティング・経営の基礎知識を身につける

    脱毛サロンを成功させるには施術の技術だけでなく、経営やマーケティングの基礎知識が必要不可欠です。どれほど技術に優れていても、集客ができなかったり収支管理が甘かったりすれば、経営を継続することは難しくなります。

    マーケティングや経営の基礎知識を身につける際は、ビジネス書や経営に関するセミナー、自治体の創業支援講座などで基本を学ぶのがおすすめです。さらに、同業他社の成功事例を研究すれば現場に生かせるヒントが得られるかもしれません。

    脱毛サロンを運営する場合は技術力はもちろんのこと、マーケティングや経営に関わる知識を積極的に取り入れることが大切です。

    立地と物件選びも重要

    開業準備段階での立地選びは、その後の集客力に大きく影響します。駅近の好立地であればフリー客や通勤通学の利用者を見込むことができ、住宅街であれば地域密着型の集客が実現できます。

    また、外観や周辺の雰囲気がサロンのブランドイメージと一致しているかどうかも見落とせないポイントです。開業後に「失敗した」と感じることがないよう、物件選びはじっくり検討し、複数の候補から比較検討を行いましょう。

    まとめ

    脱毛サロンを開業するには、コンセプト設計や資金計画、資格・手続きの確認など、さまざまな準備が必要ですが、一つひとつ着実に進めていけば未経験からでも十分に実現可能です。

    継続的な経営のためには差別化や集客、リピート施策に加えて、立地選びも重要なポイントになります。脱毛サロンの場合、ターゲット層の生活導線にある駅近エリアや人目につきやすい路面店などが好まれますが、希望に合う物件を自力で見つけるのは時間と労力がかかってしまいます。

     そこで活用していただきたいのが、「TENALEAD(テナリード)」です。

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    脱毛サロンの開業を効率良く進めたいと考えている方は、ぜひテナリードの活用をご検討ください。

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