美容業界の中でも比較的開業しやすいとされるネイルサロン。特別な資格がなくても始められ、小規模・低コストでの運営が可能な点から個人での独立や副業として人気を集めています。
しかし、実際に開業しようと考えても「何から始めればよいのか分からない」「資金はどれくらい必要なのか」といった疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ネイルサロン開業の魅力や市場規模をはじめ、必要な資金や資格、開業までの流れ、成功のためのコツなどを解説します。
ネイルサロン開業の魅力とは
ネイルサロンの開業には、主に3つの魅力が挙げられます。
・ネイル市場は安定したニーズがある
・フリーランス・個人経営でも始めやすい
・自宅やマンションの一室からも開業可能
ここでは、ネイルサロンの開業における魅力について詳しく見ていきましょう。
ネイル市場は安定したニーズがある
ネイルは季節やライフスタイルの変化に合わせて定期的な施術が必要とされるため、安定したリピート需要が見込めるサービスです。
2023年に行われた調査結果では、女性が年間でネイルサロンに行く回数は平均5.5回で、前年比5.6%と増加しています。特に男性の利用者数の増加が顕著で、年間平均3.09回と、前年比38.6%も増えています。
近年は単なるおしゃれの一環にとどまらず、性別を超えた自己表現やモチベーション向上の手段としても注目されています。成人式や結婚式、イベントシーズンには特に需要が高まり、サロンとしても売上を伸ばしやすいタイミングです。
また、年齢層や好みに応じた幅広いメニュー展開が可能です。リピーターとの関係を築くことで長期的な収益につながる点は、ネイルサロンならではの強みといえるでしょう。
フリーランス・個人経営でも始めやすい
ネイルサロンは少人数で運営できるビジネスモデルであり、フリーランスや個人経営での開業にも向いています。開業に必要なスペースも比較的コンパクトで済むため、小規模から無理なくスタートできる点が大きなメリットです。
また、予約制を導入すれば営業時間や施術数を調整しやすく、子育てや副業と両立したい方にも適した業態といえます。初期投資も他の美容系サロンと比べて抑えやすく、開業のハードルが比較的低いため、美容業界未経験からチャレンジする人が増えています。
自宅やマンションの一室からも開業可能
ネイルサロンは、専用の店舗を構えなくても開業できる業態の一つです。自宅やマンションの一室を活用すれば、家賃や初期費用を抑えつつ最小限のリスクでスタートすることが可能です。
特に開業初期は資金に余裕がないケースも多いため、自宅サロンという選択肢は現実的な方法といえます。ただし、集合住宅の場合は管理規約や近隣住民との関係性に配慮が必要であり、業種制限がある物件では開業できないケースもあるため、事前確認が欠かせません。
一方、ブランディングや信頼性の面を重視するなら専用のテナントを借りて店舗を構えることがおすすめです。店舗として存在感のある場所にサロンを設けることで、外観や立地から来店者に安心感や期待感を与えることができます。
ネイルサロンの市場規模
ネイルサロン市場は、2024年に1,390億円という規模に達しており、コロナ禍前の水準を上回る形で2年連続の拡大を記録しています。特に、2024年は前年比16.3%増と大きな成長を見せています。
この背景には、冒頭で述べたように男性(20代〜30代)の利用者増加によるマーケットの拡大や女性の利用金額の上昇といった要因が挙げられます。さらに、若年層では韓流アイドルの影響などでデザインネイルを楽しむ層が増えており、ビジネス層では身だしなみとしてケアを受ける男性も増えています。
参考:【ネイルサロン編】美容センサス2024年上期
ネイルサロン開業に必要な資金
ネイルサロンの開業資金は、どこでどの形態で開業するかによって大きく異なります。
自宅開業の場合は物件取得費や家賃が不要であり、費用はスタッフの雇用や備品・消耗品の購入などと限定的であるため、30~50万円程度の資金で開業することが可能です。
一方、マンションの一室を借りて開業する場合は、敷金や礼金、仲介手数料などが発生し、20~50万円ほどの初期費用がかかります。そこに、スタッフ雇用や備品代を含めると80~100万円程度の資金が必要です。
店舗を構えてネイルサロンを開業する場合は、内装の有無によって費用が大きく変動しますが、開業にかかる費用はおおよそ150~250万円が目安とされています。
ネイルサロンの開業費用を抑える方法

ネイルサロンの開業費用を抑える方法として、以下の2つがおすすめです。
・居抜き物件を活用する
・補助金・助成金制度を活用する
ネイルサロンを開業する際は、初期費用をいかに抑えるかが重要なポイントになります。ここでは、費用を抑えるための代表的な方法について具体的に解説します。
居抜き物件を活用する
内装や設備がある程度整っている「居抜き物件」は、ネイルサロンの開業費用を大きく抑える手段になります。すでに美容系店舗として使われていた物件であれば、水回りや照明、空調などの基本的な設備が揃っており、工事費を大幅に削減できるのがメリットです。
また、内装の雰囲気がコンセプトに合っていれば、最低限のリフォームだけで済むケースもあります。物件を探す際は立地や賃料だけでなく、居抜きの活用可否にも注目すると良いでしょう。
居抜き物件については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
『居抜き物件とは?メリット・デメリット、契約の注意点を解説』
しかし、希望条件に合う物件を一人で探すのは難しいこともあります。そんなときは、「TENALEAD(テナリード)」のような事業用物件に特化したマッチングサービスを活用するのがおすすめです。
テナリードでは、出店希望者と不動産業者をつなぎ、条件に合った物件情報を効率良く得ることができます。非公開物件の紹介やLINE通知機能など、忙しい開業準備の中でも物件探しをスムーズに進められる点が魅力です。
居抜き物件を含め、店舗用の物件探しでお困りの際はテナリードにご相談ください。
補助金・助成金制度を活用する
ネイルサロンの開業では、公的な補助金や助成金制度を活用することで初期費用の一部をカバーできる場合があります。
たとえば、小規模事業者持続化補助金は全国商工会連合会が小規模事業者に対して支援する補助金であり、広報費や設備費、内装費などに使うことができます。
また、自治体によって創業支援の制度を設けている地域も多く、開業準備にかかる経費や改装工事費などを補助してくれるケースもあります。申請には事業計画書や見積書などが必要となるため、早めに調べて準備しておくことが大切です。
ネイルサロンを開業するためのステップ
ネイルサロンを開業するためのステップは主に4つです。
1) 店舗のコンセプトとターゲットを決める
2) 開業資金の調達・事業計画の作成
3) 物件探し・設備準備・内装工事
4) プロモーション・宣伝
ネイルサロンの開業は、思いつきや勢いだけで進めると失敗のリスクが高まります。成功のためには、明確な方向性と具体的な準備が欠かせません。
ここでは、ネイルサロンをスムーズに立ち上げるための4つの基本ステップを紹介します。
1.店舗のコンセプトとターゲットを決める
ネイルサロン開業の第一歩は、「どんなサロンにしたいか」というイメージを明確にすることです。「大人の女性が落ち着いて過ごせる上品なサロン」や「学生でも通いやすいリーズナブルなサロン」などの方向性を具体化することで、内装や価格帯、メニュー内容などの設計がスムーズになります。
また、「どんな人に来てもらいたいか」というターゲットを設定することも重要です。20代の女性や主婦層、ビジネスパーソンなど、来店してほしいお客様像を具体的に描くことで、店舗づくりや集客の戦略も一貫性を持って進められます。
開業後に方向性がブレないようにするためにも、最初の段階でコンセプトとターゲットをしっかりと固めておくことをおすすめします。
2.開業資金の調達・事業計画の作成
コンセプトが決まったら、必要な資金を把握して事業計画を立てます。ネイルサロンの開業には、物件取得費や内装費、設備費、運転資金などを含めて数十~数百万円の資金が必要になります。
自己資金で不足する場合は、日本政策金融公庫や自治体の創業支援融資、助成金制度の活用も検討しましょう。資金調達の際は、どのような経営をしてどの程度の利益を見込んでいるのかを示す事業計画書の提出が求められることが多いため、現実的な収支シミュレーションや販促計画も盛り込む必要があります。
3.物件探し・設備準備・内装工事
資金計画が整ったら、いよいよ物件探しに入ります。立地や賃料に加え、業種制限の有無や水道・電源設備、換気のしやすさなども必ず確認してください。
物件が決まったら、内装工事や施術機器の導入を進めます。空間づくりはサロンの印象に直結するため、コンセプトと一貫性を持たせたデザインが重要です。作業スペースと待合スペースの動線にも配慮し、快適な空間設計を目指しましょう。
4.プロモーション・宣伝
開業前後の集客を左右するのが、プロモーション活動です。SNSの活用はもちろん、予約サイトへの掲載、オープニングキャンペーンの実施など、複数のチャネルを使って情報を届けることで効果的に宣伝できます。
また、予約管理や顧客対応をスムーズにするために、サロン専用の予約ツールやLINE公式アカウントの導入も検討すると良いでしょう。開業当初から多くの人に知ってもらうことが、リピーター獲得の第一歩になります。
ネイルサロン開業に必要な資格
ネイルサロン開業に関わる資格として、以下の2種類が挙げられます。
・ネイリスト技能検定
・ジェルネイル検定
ネイルサロンを開業する際、必ずしも国家資格を取得しなければならないわけではありません。しかし、施術の信頼性や顧客の安心感を高める上で、民間の認定資格を取得しておくことは有利です。
ここでは、ネイリストとしてのスキルを証明できる代表的な資格を具体的に解説します。
ネイリスト技能検定
ネイリスト技能検定は、日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が実施する認定資格です。ネイリストに関わる資格の中で最も知名度が高く、サロン就職や開業時の技術力の証明として広く活用されています。
3級・2級・1級の3段階に分かれており、3級はネイルケアの基礎知識と技術、2級はサロンワークに必要な実務的スキル、1級はエクステンションやリペアといった高度な技術を評価されます。
開業に資格が必須ではないとはいえ、施術者としての信頼を高めるにはネイリスト技能検定を取得しておくことをおすすめします。
ジェルネイル検定
ジェルネイル検定は、日本ネイリスト協会(JNA)が主催するジェルネイルに特化した資格です。近年、ネイルメニューの主流となっているジェルネイルの知識と技術を体系的に学べる内容となっており、初級・中級・上級の3段階に分かれています。
初級では基礎的な塗布やオフの方法、中級や上級ではフォルム形成やアート技術までを習得します。ジェルネイルをメインに扱うサロンでは、開業者自身がこの検定を取得していることで技術への信頼性が増し、顧客からの安心感にもつながります。
ネイルサロン開業に必要な届出
ネイルサロン開業に必要な届出は主に2つです。
・開業届
・保健所への開設届が必要なケース
ネイルサロンを開業する際は、法律に基づいた届出を忘れずに行う必要があります。ここでは、最低限押さえておくべき2つの届出について具体的に解説します。
開業届
個人でネイルサロンを開業する場合、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出する必要があります。これは、事業を開始したことを国に知らせるための手続きであり、提出を怠ると青色申告の適用が受けられなくなる可能性があります。
開業届は開業日から1ヶ月以内に提出するのが原則で、提出先は開業地を管轄する税務署です。提出期限が土曜日や日曜日、祝日などの場合はその翌日が提出期限となります。
保健所への開設届が必要なケース
ネイルサロンは、基本的に保健所への届出は不要とされています。ただし、施術の内容や店舗の形態によっては保健所への開設届が必要になるケースもあります。
たとえば、美容行為に近い施術を行う場合や、まつ毛エクステといった別業種を併設する場合などが該当します。心配な場合は開業前に管轄の保健所へ一度相談し、自身の施術内容がどのように扱われるかを確認しておくと良いでしょう。
ネイルサロンを開業する上での注意点
ネイルサロンを開業する上で、以下の3点には注意が必要です。
・物件選びは業種制限や設備条件に注意
・安定収益までに時間がかかることを想定する
・集客やリピート獲得には工夫が必要
ネイルサロンの開業は比較的ハードルが低いとされていますが、実際の運営にあたってはさまざまな注意点があります。ここでは、開業前に知っておきたい3つのリスクポイントを紹介します。
物件選びは業種制限や設備条件に注意
ネイルサロンに適した物件であっても、建物の管理規約や貸主の意向によっては開業できない場合があります。特にマンションやアパートの一室を利用する場合、「美容業・サービス業禁止」などの業種制限が設けられていることがあり、契約前に必ず確認しておく必要があります。
また、店舗型で開業する場合も、水道・排水設備やコンセント数、換気などの基本設備が不十分だと追加工事が必要になり、余計なコストが発生します。物件を選ぶ際は、内装だけでなくインフラの状況などもチェックし、スムーズに営業を開始できる環境かどうかを見極めるようにしましょう。
安定収益までに時間がかかることを想定する
開業直後から順調に予約が埋まるとは限らず、安定した収益を確保できるまでには時間がかかるのが一般的です。特に新規オープンの場合は存在を知ってもらうところから始めなければならず、販促費や運転資金の確保が欠かせません。
家賃や仕入れなどの固定費は毎月かかるため、開業から半年~1年は赤字が続くことを想定して資金計画を立てておくことが肝心です。さらに、想定より来客数が少ない場合でも焦らず、改善を繰り返しながら徐々に基盤を築いていく姿勢も重要です。
集客やリピート獲得には工夫が必要
ネイルサロンの成功には、一度きりではなく何度も通ってもらえる仕組みづくりが欠かせません。単に技術力が高いだけでなく、居心地の良い空間や丁寧な接客、予約の取りやすさなど、総合的な顧客体験が評価されます。
新規集客にはSNSや予約サイトの活用が効果的ですが、リピートを促すには次回予約の提案やポイントカード・紹介制度などの仕組みが有効です。顧客の属性やニーズに合わせてサービス内容を柔軟に調整し、継続的に来店したくなる環境を整えることが収益の安定化につながります。
ネイルサロン開業を成功させるコツ

ネイルサロン開業を成功させるコツとして、以下の3つが挙げられます。
・立地だけでなく「空間づくり」が重要
・SNSや予約サイトを活用した集客戦略
・メニュー設計・価格設定の工夫で利益率を確保
ネイルサロンを長期的に運営していくためには技術だけでなく、店舗設計や集客方法、価格戦略といった経営的な視点も欠かせません。ここでは、開業後の差別化とリピーター獲得のために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
立地だけでなく「空間づくり」が重要
立地の良し悪しは集客に大きく影響しますが、それ以上に重要なのが来店後の満足度です。おしゃれで清潔感のある空間はもちろん、照明や香り、音楽など、五感に働きかける演出がリピートにつながります。
たとえば、プライベート感のある半個室空間にしたり癒やしを感じる内装に統一したりすることで、「また来たい」と思ってもらえる雰囲気を演出することができます。コンセプトに沿った世界観をしっかり打ち出すことがブランディングや口コミ効果にもつながるため、開業前の内装計画は慎重に行いましょう。
SNSや予約サイトを活用した集客戦略
現代のネイルサロン経営では、オンライン集客の活用が不可欠です。InstagramやTikTokで施術写真やサロンの雰囲気を発信することで視覚的に魅力を伝えられ、集客につながります。
特にハッシュタグやリール動画を使った投稿は、近隣エリアでの認知拡大に効果的です。さらに、ホットペッパービューティーなどの予約サイトに登録することで、検索からの新規顧客も獲得しやすくなります。
メニュー設計・価格設定の工夫で利益率を確保
利益を確保するためには単価だけでなく、時間あたりの売上に注目する必要があります。
たとえば、単価が高くても施術時間が長いメニューばかりだと回転率が下がってしまい、利益率も低くなります。バランスの取れたメニュー構成を意識し、短時間で提供できるシンプルなデザインやオプションメニューを取り入れることで、効率良く売上を伸ばせるようになるでしょう。
また、リピーター向けの定額プランやセットメニューを用意することで、客単価の安定化と予約の継続性を高める効果も期待できます。価格設定では地域の相場やターゲット層のニーズを意識し、値ごろ感と品質のバランスを取ることが成功の鍵となります。
メニュー設計だけではなく、ネイルケア商品の物販やまつ毛パーマ・まつ毛エクステの実施なども利益率アップに効果的です。
理想のネイルサロン物件探しは「テナリード」で
ネイルサロンを成功させるためには、店舗の立地や物件の条件が非常に重要です。しかし、理想に近い物件を自力で探すのは、情報収集や交渉、契約条件の確認など、多くの手間がかかり、初心者にとってはハードルが高いものです。
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