売れる店舗レイアウトとは?業種別のレイアウト例や改善ポイントを紹介

売れる店舗や客足が途切れない飲食店は、レイアウト一つにもこだわりがあります。これから店舗開業をする方や、すでに開業している店舗のレイアウトを改善したい方に向けて、業種別でレイアウトのポイントを紹介します。

目次

    店舗レイアウトは、売上や顧客満足度に大きな影響を与えます。
    効果的なレイアウトを実現するには、業種ごとの特性を理解し、顧客の動線や購買心理を考慮することが重要です。

    本記事では、より良い店舗レイアウトを設計する方法やポイントを業種別に紹介します。
    レイアウトを変更するためにどうすべきか、具体的な手段やおすすめのサービスまで解説しますので、ぜひ参考にしてください。

    店舗レイアウトの効果と重要性

    店舗内の間取りや什器の設置場所を決める店舗レイアウト。人気の飲食店や、全国チェーンの小売店のレイアウトには「売れる店」の秘密が詰まっています。
    しかし、自分で店舗を始めるとなると、その他の開店準備で忙しく、店舗レイアウトは後回しにしてしまうこともあるかもしれません。まずは店舗レイアウトの重要性と効果から、きちんと理解しておきましょう。

    売上と顧客満足度の向上

    店舗レイアウトの工夫次第で、お客様の購買意欲を高め、より多くの商品を手に取っていただくことが可能です。飲食店であれば、良いレイアウトかどうかはお客様の居心地の良し悪しに直結します。店舗レイアウトが成功すれば、売上と顧客満足度を同時に向上させることができるでしょう。
    売上アップには、リピーターの獲得が欠かせません。快適な店内環境を提供することで、滞在時間の延長につながります。結果として、お客様の満足度が上がり、リピーターの獲得や口コミによる新規顧客の増加も期待できるのです。
    業種や業態に合わせた最適なレイアウトを追求することが、店舗経営を成功に導く鍵となります。

    AIDMAの法則

    店舗レイアウトを考える上で、「AIDMAの法則」は重要な指針となります。AIDMAとは、以下の頭文字を取ったものです。

    ●   Attention...... 注意
    ●   Interest...... 興味
    ●   Desire...... 欲求
    ●   Memory...... 記憶
    ●   Action...... 行動

    つまり、お客様の「注意」を引き、「興味」を持たせ、「欲求」を掻き立て、「記憶」に残り、購買「行動」につなげるという一連の流れを表しています。
    店舗レイアウトは、この法則に基づいて、お客様の心理的な動きに沿った空間づくりを行うことが大切です。
    入り口でお客様の注意を引き、店内を回遊させながら興味を持続させ、購買意欲を高め、レジ前の売り場で記憶に残るような演出を施し、最終的な購買行動へとスムーズに誘導できるレイアウトを目指しましょう。

    業種別・売れる店舗のレイアウトとは?

    業種別・売れる店舗のレイアウトとは?の写真


    それでは、業種別に売れる店舗のレイアウト例をみていきましょう。

    ●   飲食店の店舗レイアウト
    ●   アパレルの店舗レイアウト
    ●   雑貨店・小売店の店舗レイアウト
    ●   スーパーの店舗レイアウト

    一つずつ、詳しく解説します。

    飲食店の店舗レイアウト

    飲食店の店舗レイアウトでは、お客様の滞在時間を長くするための工夫が重要です。客席はテーブルの配置を工夫し、ゆったりと落ち着いて食事ができる空間を演出します。また、レジや厨房との動線を考慮し、スタッフが効率的にサービスできるようにしましょう。

    飲食店と一口に言っても、目的やコンセプトは様々です。レイアウトごとに、適しているコンセプトは以下の通りです。

    飲食店の店舗レイアウトの表


    また、飲食店では、トイレや手洗い場の位置にも気をつけましょう。清潔感を保ちつつ、お客様が利用しやすい導線を確保することが大切です。
    店舗入り口やショーウィンドウには、店舗コンセプトが伝わるPOPを掲示し、お客様を店内へ誘導しましょう。レイアウトを工夫することで、お客様に快適に過ごしていただける店舗空間を作ることができます。

    アパレルの店舗レイアウト

    アパレル店の店舗レイアウトを考える上で重要なのは、自社ブランドの世界観やコンセプトを明確に表現することです。
    店内では、商品をコーディネートごとにまとめてディスプレイすることで、お客様に商品の魅力や着こなし方が伝わりやすくなります。
    また、試着室を複数設けることで、購入意欲が高いお客様を待たせずに案内でき、離脱を防ぐことができます。商品カテゴリーごとにゾーニングを行い、お客様が欲しい商品を見つけやすいよう工夫するのも効果的です。

    ハンガーラックの高さを調整したり、照明の当て方を変えたりするなど、お客様の目線に立って店内のレイアウトを考えることで、売上アップにつながるでしょう。

    雑貨店・小売店の店舗レイアウト

    雑貨店や小売店では、商品を手に取りやすい陳列が重要です。顧客の目線の高さに商品を配置し、商品を見つけやすくすることで購買意欲を高められます。
    また、雑貨店では商品の種類が多いため、陳列する位置や流れを設計することも重要です。お店に入ってからレジに並ぶまで、お客様の気持ちがどのように変化するのか想像してレイアウトを考えましょう。
    店内の動線を考えて、狭い通路にならないようにする配慮と工夫も必要です。ベビーカーや車椅子でも通れる幅を確保することで、誰でも買い物しやすい店舗レイアウトになります。

    スーパーの店舗レイアウト

    スーパーでは、日用品や食品など様々な商品を取り扱うため、買い物のしやすさ、つまり回遊のしやすさを設計することが重要です。
    買い物客の心理を理解し、以下のようなレイアウトの工夫をすると売上アップにつながります。

    スーパーの店舗レイアウトの表


    また、生鮮食品を取り扱うスーパーでは照明の明るさも購買意欲を左右します。明るく清潔な店内環境づくりにも配慮しましょう。

    店舗レイアウトを決めるポイント

    店舗レイアウトを決めるポイントの写真


    初めて店舗開業をするという方は、店舗レイアウトを決める際に何を重視すべきかわからなくなってしまうかもしれません。
    あらゆる業種に共通する、店舗レイアウトの必須ポイントを6つ紹介します。

    ●   入り口は入りやすさを優先する
    ●   顧客の滞在時間が長くなるよう工夫する
    ●   「売れる場所」を作る
    ●   死角を作らない
    ●   看板で業態をはっきり記載する
    ●   コンセプトにあったデザインで店内を統一する

    満足のいく店舗レイアウトを決めるには、より良い店舗物件との出会いが大切です。
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    入り口は入りやすさを優先する

    店舗の入り口は、お客様が最初に目にする重要な場所です。何よりも「入りやすさ」を優先し、お客様を店内へと自然に誘導するレイアウトを心がけましょう。
    ドアの開閉のスムーズさや、看板のわかりやすさなどは入りやすい店舗の基本です。入り口付近にPOPやディスプレイを設置することで、通行人の興味を引くこともできるでしょう。
    何をやっているお店で、どのようなサービスを受けられるのかが一目でわかるレイアウトがベストです。
    ただし、隠れ家風のバーなどは雰囲気作りのために、あえて質素な入り口にすることもあるでしょう。コンセプトと合っているかどうかも確認すべきポイントです。

    顧客の滞在時間が長くなるよう工夫する

    店舗レイアウトを考える際、顧客の滞在時間を長くすることも重要なポイントです。滞在時間が長くなることで、顧客の購買機会が増えるだけでなく、店舗の印象もよくなります。

    雑貨店などの小売店の場合は、お店の外から見えにくい箇所に陳列棚を配置するといった工夫が挙げられます。これによって、お客様は店舗の中まで進んだ上で商品を眺めることができます。さらにお店の奥に興味を引く商品があれば、より長く滞在してもらえるでしょう。

    カフェなどの飲食店の場合は、店内BGMを店舗のコンセプトや内装に合わせて選曲するという工夫ができます。長く滞在してもらえれば、そのぶん追加の注文を受けることができ、お店の前を通った人に「お客さんが常にいる人気の店なんだな」と認知してもらえるでしょう。

    「売れる場所」を作る

    小売店の店内には、「商品がよく売れる場所」というものが存在します。売れる場所の例として、「入り口付近」「レジ横」「お店の奥」が挙げられます。
    売れる場所がなぜあるのか、その理由をきちんと理解し、適切な商品を選んで陳列することでさらなる売上アップが狙えるでしょう。

    入り口付近

    まず一つ目の売れる場所が入り口付近のスペースです。
    入り口から入ってすぐのため、来店したお客様のうちほぼ全員が目にするスペースといえるでしょう。セール商品やキャンペーン商品のような、買いやすい商品を陳列することで売れる効果がアップします。

    レジ横

    レジ横は、会計を待っている人がつい眺めてしまう場所です。手に取りやすい低価格帯の商品を陳列することで、「ついで買い」を誘発させることができます。

    お店の奥

    お店の奥は、入店したお客様が方向転換のために立ち止まる箇所であるため、陳列商品をじっくり見てもらいやすいスペースです。情報が目に入りやすいPOPなどを設置し、お店のイチオシ商品をおくことで「売れる場所」としての効果を最大化できます。

    死角を作らない

    店舗レイアウトを考える際、死角を作らないことが重要です。死角とは、店内で商品が見えにくくなってしまう場所のことを指します。

    死角ができやすい場所の例と対策は以下の通りです。

    死角を作らないの表


    死角ができると、そこに配置した商品が見落とされ、販売機会を逃してしまう可能性があります。店内をぐるりと見渡して、死角がないかチェックしましょう。

    さらに、照明を明るくしたり、鏡を設置したりすることで、死角を減らす工夫もできます。死角をなくし、店内のどの商品もお客様の目に留まるよう、レイアウトを工夫することが売上アップのポイントとなるでしょう。

    看板で業態をはっきり記載する

    店舗レイアウトを決める上で、看板は非常に重要な役割を果たします。看板は、お店の顔とも言えるものです。店舗の業態や特徴をはっきりと記載し、お客様に的確に伝えることが大切です。

    ●   店名
    ●   業態
    ●   商品・サービス内容
    ●   営業時間


    といった情報を看板にはっきりと記載することで、通行中のお客様に対して、お店の存在をアピールし、ターゲットを効果的に引き込むことができます。

    看板のデザインは、店舗のコンセプトに合っているかを第一に決めることが重要です。統一感のあるデザインにすることで、お客様に店舗イメージを印象づけることができるでしょう。

    コンセプトにあったデザインで店内を統一する

    レイアウトの設計と同時に、店舗のコンセプトに合った店内デザインを徹底することで、お客様に良い印象を与え、リピート率アップにつなげることができます。

    以下の表は、業種別のデザイン例です。

    コンセプトにあったデザインで店内を統一するの表


    店内の壁紙やフロアの素材、什器なども、コンセプトに合ったデザインで統一しましょう。店舗の世界観を一貫して表現することで、お客様の滞在時間が長くなり、購買意欲も高まります。

    店舗レイアウトのコツは「動線計画」

    店舗レイアウトのコツは「動線計画」の写真


    店舗をレイアウトする際は、デザイン性や世界観だけを重視すればよいというわけではありません。お店のスタッフとお客様が移動する道筋、「動線」を考えることも重要なポイントです。
    せっかくおしゃれな什器を揃えても、店内を移動しにくくてはリピーター獲得は難しいでしょう。スタッフも働きにくさを感じてしまいますし、いざという時に動線が確保されていなければ防災・防犯の面でのリスクも生じます。
    お客様の動線とスタッフの動線、それぞれの視点から店舗レイアウトの動線計画について解説します。

    「客動線」と「スタッフ動線」に要注意


    店舗レイアウトを考える上で、「客動線」と「スタッフ動線」の2つの動線計画が非常に重要です。

    客動線とスタッフ動線の主な違いは以下の通りです。

    客動線

    ●   目的...... 購買意欲の促進
    ●   設計のポイント...... 回遊性を高める

    スタッフ動線

    ●   目的...... 作業効率の向上
    ●   設計のポイント...... 最短距離で移動できるようにする

    この2つは目的が異なるため、それぞれの動線が交差しないようレイアウト設計をします。

    客動線とは、お客様が店内を回遊する導線のことを指します。客動線を意識することで、お客様の回遊性を高め、購買意欲を促進することができます。
    一方、スタッフ動線とは、従業員が店内を移動する導線のことを言います。この動線を適切に設計することで、スタッフの作業効率がアップし、サービスの質を向上させることができるのです。

    店舗レイアウトでは、つい客動線ばかり気にしてしまいがちですが、「スタッフ動線」も重要な役割を担っています。

    スタッフ動線が重要な理由

    スタッフ動線がきちんと設計されていないと、スタッフ同士のすれ違いの際にどちらかが遠回りをしなくてはならなかったり、接触による怪我のリスクも高まります。飲食店の場合は、お客様への提供のスピードも遅くなってしまうでしょう。
    些細なことですが、より効率的に最短距離で移動できるレイアウトにすることで、

    1.   ストレスの軽減
    2.   安全性の確保
    3.   働きやすくなり、接客の質アップ

    というポジティブな効果が見込めるのです。

    スタッフの意見を取り入れてブラッシュアップ

    スタッフ動線は、オープン時のレイアウトで完成するものではありません。常にスタッフからの意見を取り入れて、改善し続ける必要があります。
    実際に働いたスタッフから、「お客様に呼ばれても気づきにくい席がある」「在庫の倉庫からレジまでが遠くお客様を待たせてしまう」といった意見をヒアリングし、レイアウトに反映させましょう。
    ヒアリングの結果によっては、事業拡大としてより広いテナントに引っ越しをしたり、大規模なレイアウト変更を実施した方が回転率が上がり、売上アップにつながる場合もあります。

    店舗レイアウトを変更する方法

    スタッフ動線が悪かったり、来店するお客様の数と店舗の広さが合わなくなったりする場合は、店舗レイアウトの変更が必要になります。
    店舗レイアウトを変更する方法として、

    ●   DIY
    ●   リフォーム
    ●   売れるテナントに移転

    といった3パターンが挙げられます。

    DIY

    店舗レイアウトを変更するためのDIYは、予算をかけずに自分たちの手でレイアウトを改善できるメリットがあります。ただし、DIYでは大規模な改修は難しく、施工ミスのリスクがあるというデメリットに注意が必要です。

    DIYで店舗レイアウトを変更する際は、まず現状の問題点を整理し、予算と時間、必要な材料や道具をリストアップしましょう。そして、施工手順を確認した上で、従業員全員で役割分担をして取り組むことが大切です。

    大規模なものは難しいですが、什器の配置換えや壁紙の張り替えなど、比較的簡単にできることから始めると良いでしょう。

    リフォーム

    店舗レイアウトの変更方法の一つとして、リフォームがあります。リフォームでは、壁の位置変更や機材の入れ替えなどにより、大幅なレイアウト変更が可能です。
    リフォームにはコストと時間がかかりますが、思い切ったレイアウト変更により、売上アップと顧客満足度の向上が期待できます。
    また、リフォーム済みのテナントは、万が一退店をする際にも「居抜き物件」として人気が高くなる傾向があるため、次の利用者が決まりやすくなるというメリットもあります。
    リフォームを検討する場合は、事前に綿密な資金計画と営業計画を立てましょう。

    売れるテナントに移転

    店舗レイアウトを抜本的に改善するためには、売れるテナントに移転することも有効な手段です。現在の店舗では、スペースの制約や立地の問題などにより、思うようなレイアウト変更ができないケースもあるでしょう。
    以下のような条件を満たすテナント物件へ移転することで、コストはかかりますが大幅な売上アップにつながる可能性があります。

    ●   売上目標を達成できるより良い立地
    ●   十分な広さと使いやすい間取り
    ●   遠方からも来店しやすい駐車場付き
    ●   アクセスしやすい駅近物件
    ●   周辺の商圏とマッチしたターゲット層

    移転先の物件選びには時間と手間がかかりますが、売上アップのチャンスにつながります。店舗レイアウトを最適化できる新しい場所で、ビジネスの成長を目指してみてはいかがでしょうか。

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    店舗レイアウトは、デザイン性だけを重視するのではなくお客様やスタッフの動線まで意識して設計することが大切です。
    店舗開業を目指している方は、ぜひこの記事を参考に店舗レイアウトを考えてみてください。また、すでに店舗を経営しており、レイアウトに関する課題を抱えている方も、この記事で紹介したポイントを踏まえて改善してみましょう。

    大幅なレイアウト変更や、店舗事業の拡大をお考えであれば、ぜひ「テナリード」をご活用ください。
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